不思議とノれるポップさとレトロさ。
Franz Ferdinand(2004)
音楽というのは「予測できる繰り返される旋律」と「予測できない繰り返されない旋律」が組み合わさって音楽を音楽たらしめるというのを昔TEDトークで聞いたことがあります。
Franz Ferdinandの音楽は容易に予測できる旋律が多いです。本来ならこういう音楽は退屈で面白くないものになってしまいがちなのですが、Franz Ferdinandの音楽はその真逆。過去のインタビューで女の子を踊らせるために音楽をしているとも言っていたくらいノリノリの音楽を奏でてくれるんです。
繰り返しが多い分、安心して聞いていられるのかもしれません。でも退屈にならないのは彼らのレトロっぽい楽器の鳴りのためかもしれません。ブリブリのベースとチャキチャキのバッキングギターが最高です。
レトロなダンス・ポップをバンドサウンドでどうぞ。
おすすめ楽曲
物憂げなヴォーカルに交じるビートルズめいた音作りは彼らの得意とするところなのかもしれません。
”Tell Her Tonight”は同じ英国の大先輩のベイ・シティ・ローラーズっぽいコーラスに思わずニヤリとしてしまいます。これを狙ってやってるんだから天才です。ビートルズっぽさが無いのは彼らがスコットランド出身だからでしょうか。
”Auf Achse”はお通夜ムードなイントロから次第に展開していく過程がいいですね。サビから急に明るくなる曲調の温度差で風邪ひきそうになります。
- Jacqueline
- Tell Her Tonight
- Take Me Out
- The Dark Of The Mantiee
- Auf Achse
- Cheating On You
- This Fire
- Darts Of Pleasure
- Michael
- Come On Home
- 40'
”This Fire”はこのアルバムの中で一番お気に入り。ピリピリとした緊張感のあるイントロにやられてしまいます。そして燃え広がるようにコーラスに向けて盛り上がっていくというにやられてしまいました。歌詞もいいね。
関連する作品
散々引き合いにだしたベイ・シティ・ローラーズのベストアルバム。彼らが活躍したのは70年代だったんですね。第二のビートルズとか言われてたらしいです。
日本ではセカンドアルバムから有名になったので、このアルバムは知っているって人のほうが多いかも。ちなみにこのアルバムのタイトルで英語の過去完了形を覚えました。
このアルバムを聞いてみて
人によってはアクが強すぎて無理!って人もいるかも知れません。さながらピートの効いたウイスキーのようです。
じっくり聴いてみると本当によくできた音楽です。曲の最初と同じメロディなのに、アウトロではニュアンスと音量に変化を加えていたりと、何度も聴けるアルバムです。
30歳台でデビューし、しかも以前に何度もデビューしたという経歴を持つFranz Ferdinandの才能が花開いた記念すべき最初のアルバムでした。