言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

レンズ越しに歪む世界を描く「mono」感想。

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著者が描きたいものを描きたいままに描いたようです。

mono

ゆるキャン△で有名になったあfろ氏による作品。ゆるキャン△では明確なキャンプというテーマがありましたが、こちらのmonoにはバシリと決まったテーマはないようです。強いて言えば女の子たちの自撮りを楽しむ4コママンガといった感じでしょうか。

ゆるキャン△の5巻辺りから背景がレンズ歪みになってきたり、魚眼レンズっぽい描写になってきましたが、そういった描写を全面に押し出した作風が目立ちます。広角レンズや魚眼レンズの描写に気合が入っています。

GoPro Fusionのような360度カメラの映像をマンガで表現しているのは確かに挑戦的な取り組みと言えるでしょう。著者であるあfろ氏が描きたいものを楽しく描いているように思えば、あってないようなストーリーの場当たり的な部分も目を…つぶれる…かな…?

ちなみにこの作品で使われているカメラはこのRICOH THETAというものです。

歪むレンズ越しの世界

このマンガの最大の特徴がレンズに歪んだ世界の表現です。ぐるりと周囲を見渡せるシータというカメラで撮影される世界をありありと描いています。

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Image:amazon立ち読みページより

ゆるキャン△でちょびっとだけ描かれていたコマを大ゴマで描ける喜びが絵から伝わるようです。絵のタッチはほぼゆるキャン△のままですね。ゆるキャン△の絵のタッチが好きな人には雰囲気だけでも楽しめるでしょう。

ただ悲しいかな、こういったレンズ歪みの描写は扉絵とストーリーの序盤でしか登場しません。この作品の主軸としては女子高生たちの穏やかな日常とゆるキャン△との緩やかなつながりとなっています。

 

360度カメラ RICOH THETA

この作品に欠かせないのが360度カメラのRICOH THETA(シータ)です。

このカメラは特殊なカメラで360度の空間を切り取ることができるんです。私もこのカメラを使ったことがあるのですが、カメラという概念を一つ拡張したように思えます。

今までのカメラってそこから見た風景を切り取るものだったと思いますが、このカメラでは、その空間をまるっと切り取ることができます。これは結構な衝撃でした。周りをぐるりと見渡せるし、グリグリと視点を動かすことができます。VRヘッドセットに転送することだって出来ます。

このカメラのかわいいシャッター音とかもマンガの中でも表現されています。私だけかもしれませんが、このカメラで写真を撮る時、どこを見れば良いのかよくわからないんですよね。だって360度の全ての空間を保存できるわけですから。

このマンガには登場していませんが、上位モデルも存在します。もちろん下位モデルだって360度の空間を切り取ることができますよ。

このマンガを読んでみて

女子高生とカメラと組み合わせたマンガかと思いきや「日常系マンガと360度カメラがちょっと」という感じになっています。ゆるキャン△からキャンプ成分を取り除いたらこんなふうになるのかもしれません(言い過ぎ?)。

序盤はカメラを巡る物語になりそうな流れだったのに、中盤以降からは一気に日常系のマンガとなってしまいました。ゆるキャン△のようなテーマは無いですが、気楽に読める日常系4コママンガでした。

ちなみにこのマンガに欠かせないTHETAというカメラ、人前で使うと高確率で「なにそれ?!」って囲まれることになります。