言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

紙の本をほとんど読まないのに私が月一回は本屋に行く理由

この記事をシェアする

f:id:Ziddorie:20200229192248j:plain

本屋の本を売るという役割はとっくに終わっている。

わたしが本屋に行く理由

ここ数年、本屋で本を買った記憶がありません。欲しい本はすべて電子書籍(kindle)で読んでいるからです。

電子書籍はネット回線さえあれば、深夜でも早朝でも好きな時間に自宅で本を買うことができます。

だから本屋に行くことがゼロになるだろうと思っていたのです。

 

ですが、そうはなりませんでした。毎週とは行かずとも、少なくとも1ヶ月に1度は本屋にふらっと立ち寄ります。

本屋に立ち寄る理由は本を買うという目的ではありません。なぜなら本は電子書籍で購入するからです。

なぜ、わたしが本屋に行くかというと、本に出会うためです。

本との出会いの場としては本屋はネットより優秀

amazonの類書推薦機能はよくできています。本を購入すると、続刊や同じ著者の作品をここぞとばかりにおすすめしてきます。

ただ、そのレコメンドが想定内すぎるんです。「あぁ、それさっき見たわ」みたいな。

例えば「星を継ぐもの」を購入したとします。

amazonのレコメンドでは続編の「巨人たちの星」とか、同一著者の「創造主の掟」などが出てきます。ちょっと外しても他の名作SF作品とか。

書誌情報だけでレコメンドしている感がすごくて、どれも意外性や関連性が薄いんです。

 

例えばさっきの「星を継ぐもの」だと作中に人類の歴史というテーマが描かれるのですが、そこに焦点を当てたらジャレド・ダイアモンドの「銃・鉄・病原菌」を推薦しても良いかもしれません。

過去の地球の生き物についても触れられているので「ワンダフル・ライフ」があっても良いかもしれません。

こういった類書の推薦は実際に本を読んだ人しかできません。

ただ単に「この本を見た人はこんな本を見ています」とか「この本の書誌情報に近い本を提示する」とかではできない推薦です。

その点、実店舗の本屋のポップや棚作りによっては関連書籍の思わぬ出会いがあるのです。

書店員さんが実際に本を読んでみて書評や関連本が並んでいる書棚は本屋にしかありません。そういった出会いを求めて、わたしは本屋に行くのです。

ただし本屋で本を買うことはない

本屋さんをウロウロして読んでみたい本を見つけることもたくさんありました。

実際にその本を読んだことも何度もあります。でも、その場で本を購入したことは一度もありません。

 

わたしは本屋は本との出会いの場として利用しているだけであって、本を購入する場として利用していないからです。

 

欲しい本があればその場でスマホを取り出して検索、電子書籍板があれば購入します。

もし電子書籍版がなければ、電子書籍リクエストを出して、欲しい物リストに追加して帰ります。

どうしても今すぐに読みたいとか、絶版本などのよっぽどのレア物ではない限り、その場では購入しません。

 

電子書籍化されていない本を、どうしてその場で本を購入しないのか不思議に思う人もいるかも知れません。理由はいくつかあります。

  1. 長蛇の列のレジに並びたくない
  2. 持って変えるのがめんどい
  3. やっぱり電子で読みたい

一番はやっぱりレジ。レジに並ぶ時間があればamazonで注文余裕です。他にも荷物になりますし、物理書籍は場所を取ります。

わたしは書籍の物理的な制約が嫌いです。どうしても電子書籍で読みたいので、絶対に電子化しない本でもない限りやっぱり電子化を待ってしまいます。

本を売る場としての本屋はもう終わっている

まだ多くの人は本屋は本を買う場所という認識でしょう。でもわたしはすっかり本屋は本との出会いの場として認識するようになってしまいました。少し言葉は違うかもしれませんが、ショールーミングですね。

 

だって本屋で本を買うメリットがわたしには見つからないんですから。わざわざ本屋に足を運ぶ理由は自分が知らない本と出会うため。買うためではありません。

 

もし、わたしのような人間が今後増えていけば、街の本屋さんはどんどん潰れて行くでしょう。頑張っていろいろなポップを書いてくれたり、類書を一緒に配置した面白い書棚を作ったとしても、買ってはくれないのですから。

 

本との出会いの場としてしか利用しない、わたしのような人が増えていくのであれば、例えば入場料を徴収みるのはいかがでしょう?500円程度の入場料を支払って本屋に入場する、その場で本を買ってくれたらその入場料は返却。何も買わずに退店するのであれば、入場料はお店の取り分。

 

そうでもしないと、わたしのようなショールーミングをする人からは対価を取ることはできません。逆に今の本屋は本との出会いの場として利用している人にとっては無料でいろいろな本と出会うことができる夢のような場所です。

本の出会いの場としての本屋は高く評価していますし、街の本屋が消えてしまうのはやっぱり心苦しいです。

500円程度の入場料としての”お布施”ができるのであれば喜んで支払いますが、逆にこれが本屋離れを加速させるかも…

 

amazonのレコメンド機能がもっと人間っぽくなればこんな悩みも解決してしまうのかもしれませんが。