海外旅行によって人生観が変わった女性の物語
ガンジス川でバタフライ
海外旅行に行ったことがなかったインドア女性が思い切って海外に飛び出してみたら人生観が変わったという話。
よくある欧米や台湾・韓国に旅行してグルメや異文化に触れて来ました!みたいな生ぬるいものではありません。
バスや電車に8時間揺られたりするのは序の口。川で泳いでいたら死体とぶつかったり、なりゆきで火葬場で焼かれる遺体を眺めたり…
これだけの出来事があれば人生観が変わるのは無理もないでしょう。
出会いと別れを繰り返すことで著者はこのような悟りを得ます。
旅をするようになってから、私はこんなふうに思うようになりました。それは、「きっと『生きる』って、いろんな人と、いろんなところで、いろんな時間を共有して、思い出を作り合うことなんだろうなぁ」ということでした。
ガンジス川でバタフライ
何かをやろうと思っていて、二の足を踏んでいる人の背中をポンと押せる自己啓発本っぽくない自己啓発本です。
旅行先での出会いと別れ
20代女性の海外一人旅というただでさえ気をつけないと行けないのに、著者が向かうのは東南アジア。
しかも時期が時期で年に一度のお祭で全国民パーティピーポー状態のインドに出向いて数時間でカラーパウダーを全身に浴び原色ドロドロになってしまいます。
そんなハチャメチャな状態での人との出会いと別れの物語がこの本の主軸です。
ガンジス川を一日中眺める人。赤の他人に優しくしてくれる人。「俺の写真を撮れ!」といって撮らせるだけ撮らせて満足気に去っていく人。勝手にご飯をおごってくれる人。「宿がないならうちに泊まれ」と言ってくれる人。そしてそんな人が下位カーストの人を苛烈に責める場面…
日本では到底お目にかかれない人や風景に出会っては別れます。
海外旅行を通して著者の地球はぐっと小さくなったように感じます。他人事だった海外の事件や災害が一気に自分ごとになってしまったといいます。
なんというか、私はもう、旅をする前の自分ではなくなってしまったような気がした。日本を出る前と帰ってからとでは、旅した国々に対する心のありようが変わってしまっていたのだ。旅をした国々が、自分にとって“〝 人ごとな国”〟 ではなくなったことを私は感じずにはいられなかった。
ガンジス川でバタフライ
わたし自身、留学生の友人と出会ってから、彼ら・彼女らの母国であった事件や災害について敏感になってしまった経験があるので共感できました。
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自分を変えたい!というのであればこういう本はどうでしょう?
ヤクザ専門ライターがピアノに出会って人生が変わった話。何かを始めるのに遅すぎるってのはないんだと思いました。
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この本を読んでみて
ハチャメチャな旅行記かと思いきや、人が変わっていく過程を文書から得られて学びのある一冊となっていました。
海外旅行とまで行かなくても旅行は人生にあらたな視点を与えてくれます。わたしも年に数回は国内旅行に行っています。
旅行で知らない土地に行き、その土地での行きつけの飲み屋を作るのが何よりの楽しみです。
海外旅行にいってみて「人生観変わったよw」みたいに言う人がいますが、この本の経験ほど強烈な経験をしていないでしょう。だって泳いでたら死体ですよ?
海外旅行に行ったことで、一人の女性にどのような変化があったのかをこの本を通して面白おかしく確かめて見てください。