それでも、まだウェイトトレーニングしてる…
ダビデは筋トレをしたのか?
ミケランジェロの有名なダビデ像。あの整ったプロポーションは男女問わず引き付けられますよね。人間の強さっていうか、生命力を感じさせますよね。
紀元前1000年を生きたダビデに限らず、昔から筋骨たくましい人っていたみたいですよね。映画「300」で有名なスパルタン兵とか、大相撲の雷電横綱とか。昔には高価なウェイトマシンやプロテインはありません。サプリメントなんて望むらくもないですよね。
でも、昔っからそういうマッチョかつスマートな体をしている人はいたのです。
そして現在。スポーツ科学も研究され、タンパク質を豊富に含むプロテインが安価に発売され、サプリメントも選び放題。3000年以上経過した現在はスマートに、たくましくなるための条件は遥かに整っているといえますよね。
じゃあ周りに整ったプロポーションの人が溢れてるか?って言われるとそうでもないですよね。食事が高カロリーかつ豊富になったってのはあるかもしれませんが、トレーニングの質やトレーニング技術が上がったのになんで?って疑問がプリズナートレーニングの根幹にあります。
自重トレこそ至高
この本、プリズナートレーニングの言いたいことはこれです。「自重を扱うトレーニングこそ、故障が少なく、適正な速度でシェイプアップできる唯一の方法なのだ。」と。
もちろん著者はナイスガイなので(自分で言ってる)、ウェイトトレーニングを頭ごなしに否定はしません。でもグサッと来るような指摘をしています。
200kgをデッドリフト出来るようになったからと行って椎間板や膝や腰の軟骨はそれに似合うように成長できるのか?
自分の重量の何倍もの重量を扱えるトレーニーは片手で懸垂ができるのか?
なんて、思わず「ぐぬぬ」と唸ってしまうような、鋭いナイフのような指摘が本の中にあります。私自身、自重の2倍の重量でデッドリフトは出来ますが、片手懸垂なんて夢のまた夢。
こういうチクってくる指摘が逆にこの本を読み込んでしまう一因となっています。
本の構成
この本はBig6と呼ばれる6つのトレーニングメニューから構成されています。さらに6つのトレーニングメニューはそれぞれ10ステップに細分化されていて、ステップ1からトレーニングするように指示されています。
Big6の解説が終わった後はセルフマネジメントの項目が用意され、トレーニング初心者から上級者向けに1週間の参考メニューが設定されています。
この本を読み始めると「よし、トレーニングやってみるか!」ってなるんですけど、まずは最初から最後まで読んでみることをおすすめします。
特に10ステップの最初の1ステップ目はメチャクチャ簡単でスキップしたくなるんですけど、本の後ろの方で「ステップをスキップするようなことは絶対にするな」と書かれています。
できそうなステップからやっちゃうと著者が想定したフローと差異が出ちゃうので注意ですね。
読み物としても面白い
実際にこの本にかかれているトレーニングをするにしろ、しないにしろ、この本を読み物として楽しめるのもいいところです。
いい感じに砕けた口調と、中二病を感じさせるエピソード。トレーニングが実際に出来なくても「なるほどねぇ、こんな風に考える人もいるんだね」って収穫があります。
紹介されたエピソードには「これ絶対、誇張入ってない?!」って感じの物もあります。なんつーか刃牙の世界です。刃牙。何セント硬貨を4つ折りにしたって、まんま花山薫ですよね。
トレーニングの仕方が変わった
なぜ著者は自重にこだわるのか。それは自重によるトレーニングが体を動かす訓練になるからだと言います。
自分の体を思いのままに自由自在に動かせるようになる。それが目的だとこの本は言います。ウェイトを上下させるだけのトレーニングとは違うのだ。と。
これには自重トレーニングに後ろ向きだった、私も目からウロコ。「そうだよ。体を自由自在に操れてこその筋トレじゃないと!」って感じました。この書籍を読んで確かにウェイトトレーニングとの向き合い方が変わりました。
無闇に重さを求めるんじゃなくて、自分のどこの筋肉を使っているのかっていう意識をしっかりと持つようになりました。そしてそういう感覚を養うには重すぎるウェイトは逆効果なんだなって。
重すぎるウェイトはセットをこなすことに注力して自分の体のどこの筋肉を使用しているのか曖昧になる時があります。でも軽めのウェイトでゆっくりだと「あっ、ここの筋肉が動いてんるんだ!」って気づくことが出来ます。
これが自重トレーニングで培われることなんだ!って知ってからはウェイトトレーニングのときでも「俺は今、ここの筋肉を引き寄せてウェイトを上げているんだ…」って意識することが出来るようになりました。
それでもウェイトトレーニングをしてる
結局のところ普段のメニューに自重トレを取り入れていますが、ウェイトトレーニングをやめてはいません。
やっぱり6つの動きの10ステップを1つずつ踏んでいくのは時間的にキツイってのがありますし。あとこの本の著者自身もウェイトトレーニングを完全に否定しているわけではないので…
でも先に書いたようにウェイトトレーニングの仕方は変わりました。とてもゆっくりと、どこの筋肉を使用しているのかを強く意識するようになりました。
モチベアップにもおすすめ!
実際にこの本にかかれているトレーニングをするにしろ、しないにしろ、読んで損のない本だとおすすめします。特に筋トレのモチベが下がっている人におすすめ。「こういうトレーニングがあるのか!」ってマンネリ化したメニューにも刺激が加わります。
プリズナートレーニングのメニューは筋肉を無理なく自由に成長させることを目的としていますが、時間をあまり考慮していません。そりゃ監獄だと時間はたっぷりありますよね。
良い所も、賛成できないところもありますが、書店に平積みされているような超人気のこの本。成果をだしたいトレーニーなら是非読んでみてくださいね!