言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

天才(という設定だった)たちの恋愛模様を描く「かぐや様は告らせたい」感想。

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天才たちというのは一旦忘れたほうがいいです。

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

相思相愛なのに「先に告白したほうが負け」というプライドが邪魔をしてどうしても告白できない生徒会長と副会長のお話。「天才たちの」というよりかは「名門高校の」と言ったほうが良いかもしれません。なぜなら天才っぷりはどんどん希薄になっていきますから。

天才同士の高度な心理戦から繰り広げる会話だったり、推理小説ばりのトリックだったりは(あまり)ありません。サスペンス×恋愛マンガのような目新しさは巻が進むどんどん消えていってしまっています。とはいえ、シリアスな場面と日常の描写という硬軟のバランスが素晴らしく、ページをめくる手が止まりません。

最新刊に近づくほどどんどん普通のラブコメになっていってしまっているのが残念ですが、一方で、だんだんとキャラクターたちがよく動くようになってくるのも魅力です。確かに「先に告白したほうが負け」って妙なプライドもよくわかりますし、付き合うまでのジリジリとした感じをよく表現できてるマンガでした。

 

天才っぽさが残っていた頃

最初にこのマンガの1巻目の表紙を見たときに、けっこう怖いのかな?って思っていました。だって線が細くてちょっとサスペンスっぽさを感じたのです。作画の線も細めでどこかピリッとした緊張感が漂う雰囲気だったのです。

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Image:amazon立ち読みページより

その線が細い作風から5巻目あたりから、急に作風に変化が加わります。線が太くなりキャラクターがよく動くようになってきたのです。それと同じくして一気に心理戦から恋愛漫画に重心が移動したようです。

10巻以降に至ってはかなりの恋愛マンガ風味。「天才たちの」ってのはタイトルに残っただけの存在になってしまいました。その分キャラクターがよく動き、表情も柔らかくなりました。

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Image:amazon立ち読みページより

物語が進むに連れて作風が変化するのはマンガでもよくありますが、作風がストーリーにも影響しているのは珍しいかもしれませんね。

 

スピンオフ作品もたくさん

この作品にはスピンオフ作品がたくさんあります。1つ目が同人版。

2つ目が4コマ漫画。

最後に小説版です。

これらの作品は本編を読んでる前提で物語が展開しているので、これだけ読んでも面白さは100%楽しむことはできないでしょう。(当たり前ですが…)同人版はエロとギャグ要素が強調されていて、原作が好きな人には評価が別れています。

 

このマンガを読んでみて

最初は天才たちの心理戦がほのかに描かれていましたが、今や完全な恋愛マンガです。これが悪いってわけではないのですが、やっぱりちょっと物語のブレを感じさせてしまいます。それでも魅力的な作品であることには変わりありません。

硬軟織り交ぜたストーリー運びが非常に優秀で、読み手を飽きさせません。つい大人買いしてしまいました。 

さすがメディアミックスしているだけはあります。アニメ化もしましたし、実写映画化されるようです。実写映画…ねぎまのようにはならないことを願うばかりです。