なぜ人間は不合理な判断を下すのか?
ヘンテコノミクス
超お手軽な行動経済学入門がこの本。どこか懐かしい絵柄で書かれたマンガで解決される一見、不合理とも思える人間の判断に行動経済学の視点から解説してくれます。
このマンガで語られる人間の行動はどこか見覚えのあるものばかり。例えば5,000円の買い物の300円の差はかなり気になるのに、5万円の買い物での500円の差額は対して気にならなかったり。同じ値段の似たような商品でも値引き額の大きい方の商品を選んでしまったり…
こういった経験は誰にだってあるはずです。そしてその行動を理論的に研究しているのが行動経済学。このマンガでは登場人物がそういう、身近で、よくよく考えてみたら不条理な行動を行います。そして行動経済学の知見から一言解説を与えてくれます。
予想通りに不合理
不合理な行動の例のひとつが子供の落書きに困った老人がとったのは子供たちにお小遣い(報酬)を与えたということ。
子供たちは落書きもできてお小遣いまでもらえると言うことで大喜び。でもお小遣いをもらえなくなると、落書きまでやめてしまいました。
お小遣いを貰えないなら、落書きもやめちゃえってなったわけです。元々は自発的に落書きを始めたにも関わらずです。報酬を与えることで、逆にモチベーションを削いでしまったわけです。
他にも、この本でとても印象に残っているのが、全く売れない商品を売るために上位機種の商品を発売したってところ。
売れない商品の上位機種を発売したところで、下位機種が売れていないのに売れるはずがない…と思いきや、選択肢ができたことで市民権を得たかのように錯覚してしまうのです。
結果「買うか買わないか」の2択から「どちらを買うか」という買うということを前提とした選択に持っていくことができたのです。
関連する本
わたし達の行動は様々なバイアスに基づいていることがヘンテコノミクスを通じてわかるかと思います。
行動経済学に限らず、偏見に基づかない行動や考え方ができるようになるのがこの本です。
感想レビューはこちらからどうぞ。
こちらはマンガではなく小説。より詳しい解説と実践的な内容が書かれています。
ヘンテコノミクスでは物足りない人は、こちらを手に取ってみるといいでしょう。
この本を読んでみて
かなりお手軽なので、もっと詳しく行動経済学について知りたいならヘンテコノミクス以外の本が必要でしょう。
本書の90%がマンガで残りの10%が一言解説ですので、詳しく知りたい人には物足りないこと間違いなしです。軽く読む分には絵の味も相まって最適でしょう。
普段の私たちの行動がどれほどヘンテコなものなのか振り返る、いい機会になるでしょう。
記事サムネイルはamazon商品ページより引用