言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

コミックレビュー「極主夫道」:元極道の主夫コメディ

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スピーディスタイリッシュ家事アクションヤクザマンガ

極主夫道

主人公(?)は結婚してカタギになった伝説の元ヤクザ、不死身の龍(タツ)。ヤクザ時代の経験が存分に活かされた技術と義理で炊事や家事をスピーディーかつ過剰にこなしていきます。

www.youtube.com

 

ヤクザだった頃の習性が抜けきれず、暴走してしまうこともしばしば。新入り(ルンバ)に対する掃除の指導や、預かった子供が壊してしまった嫁のおもちゃの処理の方法なんかは堂に入っています。

 

元ヤクザってだけあって過去のしがらみや敵対ヤクザとの抗争もありますが、そこはコメディ漫画。誰かが死んだり復讐されたりとVシネ要素はないのでお気楽なコメディとして楽しめますよ。

 

スピード感あふれる家事シーン 

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Image:極主夫道 - おおのこうすけ / 第1回 | くらげバンチ

※ただ家事をしているだけです。

ただ単に料理を作る、買い物に行く、くじ引きを引くっていう何気ない日常のシーンが何故かこの漫画では緊張感あふれるバトルシーンのように描かれます。ヤッパ(包丁)の使い方が一般人の使い方とは全然違います。

 

このスタイリッシュ&スピード感があふれるのは読者の視線の動きを上手に誘導してるからだと思うんです。例えば上のページの一コマ目、龍がジャケットを羽織る時の書き文字(効果音)をよく見てほしいんです。本来の日本語の横書きの流れなら「バッ」のはずなんですけど「ッバ」になってますよね。最後のコマの「じゅううう」も「うううゅじ」になってますよね。

 

こんなふうに文字の流れが逆になっているのは、人物の動きの方向を想像させるためなんです。日本語と逆の流れ、左から右への「ッバ」(←)にすることで視線が右から左に流れます。文字の流れを逆にすることでジャケットを羽織る人物が手前に浮き出てくるような感覚を得られます。集中線と書き文字の効果でより立体的に感じますよね。こういう工夫が溢れたマンガなのでまるで動画を見ているかのような感覚になります。

 

こんなふうにスタイリッシュに家事をこなす主夫ですが、料理やエプロンの趣味は結構かわいい。OLの嫁を支えるために懸命に支えます。キャラ弁なんか作っちゃってます。

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Image:極主夫道 - おおのこうすけ / 第1回 | くらげバンチ

 

インスタに出来上がったお弁当をアップするのも忘れていないあたり、SNS上での人気も相当なものなのではないでしょうか?

 

元ヤクザと一般人との交流。

このマンガの面白いところは家事や炊事シーンだけではありません。それが一般人との交流。元ヤクザの主夫はできるだけ自分も一般人として接しようとするんですけど、それが知らず知らずのうちに逆効果に。

 

訪問販売員には腰を抜かされ、店員には目を合わせてもらえない。そんなことはしょっちゅうで、買い物に出かけてみれば「白い粉(小麦粉)はどこですか?」とスーパーの店員に声をかけて逃げられてしまう始末。

 

でも主人公は至って真面目に接しようとしているあたり、微笑ましくもあり、実際にこんなコワモテのヤクザに声をかけられたら腰を抜かすか、財布を差し出してしまうんだろうなぁって思ってしまいます。

 

このマンガを読んでみて

このスタイリッシュ家事アクションヤクザマンガですが、第1話~第3話と最新の2話までが無料で読むことができます。この数話でも元ヤクザと一般人とのふれあいは存分に描かれています。

kuragebunch.com

 

話は変わりますけど、最近ヤクザ幹部をやめてうどん屋になった元ヤクザのニュースを見かけました。ヤクザをやめたからといって、即一般人ってわけには行かないのが現実らしいんです。

 

暴排条例によると離脱後5年は暴力団に属していないにもかかわらず、暴力団員として扱われるわけです。

 

そうなると銀行口座も作れないし、保険にも入れない。身から出た錆といえばそれまでだけど、元の木阿弥助長条例として見えてしまうのも否定できないと感じてしまいます。

 

何があってヤクザを抜けたのか、不死身の龍に何があったのかは明かされていませんが、彼の真面目な性格とホントは優しいんじゃないか?って思わせるエピソードが満載のこのマンガ。現実はマンガのように優しい世界でありませんが、こんな元ヤクザであればご近所さんになっても…やっぱりいいや。

 

ちなみに第二巻が最近発売されました。プロモーションも気合入っちゃってます。