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【音楽レビュー】浅沼晋太郎・鷲崎健:思春期は終わらない!

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セピアの思い出がよみがえる。

思春期は終わらない!(2017)

響Radio StationというWebラジオ局で配信されていた、浅沼晋太郎・鷲崎健の「思春期が終わりません」という番組。40歳くらいののおっさんたちが、キン消しだのドリフだの当時はやっていた事を思い出してゲラゲラ笑っていたラジオ番組でした。

 

そのラジオ番組のメインテーマがこの曲。しかも番組が始まって1年以上経ってから決まったという適当っぷり。ラジオのトークとは打って変わって真面目な楽曲。

 

まず、思春期は終わらない!という楽曲。この曲を聞くと本当に中学・高校の景色を思う出せます。放課後、吹奏楽部の練習が聞こえてくる教室から帰るでもなく、勉強をするでもなく、オレンジ色の外を眺めてぼーっとしていた頃の自分が思い出されました。

 

思春期男子にありがちなエネルギーはあるけど、どんな風に発散させれば良いのか分からない葛藤が歌詞とメロディによく表現されていて、ちょっと恥ずかしい気分にもなります。

 

おとなになった今でも行動原理って変わんなくて、そういう原理って10代の内に原型が形作られるものですよね。そういった概念を表すのが「思春期は終わらない!」ってことなんだと思います。

 

彼女はサイボーグって曲はちょっと大人。思春期は終わらない!が中高生だったとしたら、大学生くらいの感じ。振り向いてくれない彼女に対して何とかしてこっちをむいてもらうぞ!って悪戦苦闘する曲です。

 

収録曲とおすすめ曲

収録曲はわずかに3曲ですが、世界観がバチッと決まっている粒ぞろいの楽曲です。非常に短いCDですが、ながければいいってもんじゃないですもんね。ZombiesのThis will be our yearに似た、コンパクトにまとまった美しさすら感じます。

  1. 思春期は終わらない!
  2. 走れキャスター付きチェア
  3. 彼女はサイボーグ

 走れキャスター付きチェアはコミックソングかと思いきや、ちゃんとストーリーがついてて1stコーラスからキャスター付きチェアに乗った主人公が女性をさらって行きます。

 

こういうストーリーがある音楽が大好きな私にとってニヤッとする、聞いていて楽しい楽曲です。歌うにはかなり早口で唇がグニャグニャになりそうですが…

 

思春期は終わらない!をAmazonで!

「思春期は終わらない!」は残念ながらamazon music unlimitedでは配信されていません。

名は体を表すというのでしょうか、このCDに収録されている曲は過去を振り返る自分を歌っている曲でもあるんです。過去をありありと思い出し、歌いつつ、自分の根っこの部分は思春期のときと変わってねぇなぁって歌ってるんです。「思春期は終わらない!」って。

 

鷲崎氏のブルージィなギターと独特の歌詞がセピアとオレンジの世界を描き出す「思春期は終わらない!」おすすめです。