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電撃文庫の電子書籍がどれだけ少ないのか調べてみた

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ライトノベルの最大手である電撃文庫。
私も中学生の頃「何だこの小説?」と、桜色BUMP(著:在原竹広氏)を買ったのが今後の人生の方向性(主にオタク的な意味で)に大いなる影響を与えたのではないかと思います。

出版業界で唯一と言っていいほど元気なライトノベル業界ですが、kindleなどの電子書店で電撃文庫の電子書籍はあまり聞かないです。
電撃文庫は電子書籍に注力していないのでしょうか?
実際に電撃文庫の電子書籍が少ないのかどうか考えてみます。

そもそもライトノベルの電子書籍が少ないのでは?

私は最初そう思い、電子書店hontoでレーベル別で電子書籍の発行部数を調べてみました。(16年4月調べ)

レーベル別電子書籍数

電撃文庫:1,772
富士見ファンタジア文庫:2,094
MF文庫J:1,623
ガガガ文庫:1,340
角川スニーカー文庫:1,074


こうしてみると極端に電撃文庫が少ないという風には見えませんが電撃文庫が発行しているタイトルの母数は他レーベルとは桁違いに多いです。
2015年10月に通算3,000タイトルを記録しており、他のレーベルとはちょっと比較になりません。

レーベル別書籍タイトル数

電撃文庫:約3,000
富士見ファンタジア文庫:約500
MF文庫J:約450
ガガガ文庫:約250
角川スニーカー文庫:約300

Wikipediaのレーベルページを見たので数値に厳密な正確性はありません。
だがしかし、ライトノベルの雄とも言える電撃文庫のタイトル数は目を見張るものがあります。
他の4つのレーベルをまとめてようやく電撃文庫の半分といったところでしょう。

ここで勘違いちゃいけないのが先に上げた表は商品数で、後に上げた表は「タイトル数」ということです。(ゼロ使とかシャナとかを1とカウント)
つまり、各レーベルが持っている商品数はタイトル数x巻号数ということになります。
平均的なライトノベルが何巻続くのかわからないので仮に完結するまでの号数を5巻とします。

最近ライトノベルは長期連載になる傾向があるので低すぎるかもしれませんが、あまり人気が出ずにそっと消えていく1~3巻で完結するもののほうがよっぽど多いと思います。
そこで平均を取ってみれば5くらいになるのかなと仮定します。
これで各レーベルが持っている商品数を推定することができます。

レーベル別紙書籍商品数

電撃文庫:約15,000
富士見ファンタジア文庫:約2,500
MF文庫J:約2,350
ガガガ文庫:約1,250
角川スニーカー文庫:約1,500

やはりと言うか、単純にタイトル数を5倍しただけなのでタイトル数がそのまま差に現れますね。
とある魔術の禁書目録や灼眼のシャナなど20巻を超える長期連載もあるので実際はもっと多いかもしれませんね。
とは言え、昔はポストガールや埋葬惑星など短めのタイトルもあったのでだいたいこれくらいの商品数でしょうか…

いよいよ発表!電撃文庫の電子化された書籍の比率は?

さぁ舞い戻って最初の表にあった電子書籍商品数を比べましょう。

レーベル別電子書籍発行率

電撃文庫:1,772/15,000 = 11.81%
富士見ファンタジア文庫:2,094/25,00 = 83.76%
MF文庫J:1,623/2,350 = 69.06%
ガガガ文庫:1,340/1,250 = 107.20%
角川スニーカー文庫:1,074/1500 = 71.60%

ガガガ文庫の割合がおかしなことになっていますが、きっと5巻以上続くシリーズが多いからでしょう。
にしても電撃文庫の11%という数字
まさかの一割弱。乱暴な計算方法とはいえ相当に少ないといえるのでは?

どうしてこうなった…

もちろん理由もあると思います。
最も大きな理由が最古参というところだと思います。

まず、技術的な問題があるかと思います。
90年代前半からレーベルの歴史があるので、今のように電子化された原稿などがないのでしょう。
昔の書籍をわざわざOCRを掛けてまでして文字に起こして電子化するか?という判断で電子化を見送ってしまうのかもしれません。

また、許諾の問題もあります。著者やイラストレーターから許諾を取ろうにも連絡が取れない、当時の会社が倒産している、最悪亡くなっていた。という事が起きて電子化できないということもあるかと思います。


最もそれらしい理由は他にもあるのですが、長くなるのでまた今度に。

まとめ:やっぱり少ないやんけ!

あれ?なんか少なくね?と思った人はたぶん大正解。
実際、電子化のタイトル数は他のレーベルと比べてかなり少ないという理解で正しいと考えます。