希望を絶望で歌い上げろ。
かくれんぼか鬼ごっこよ (2008)
特撮を思わせる大槻ケンヂのアルバム。久米田康治著の「さよなら絶望先生」のアニメ作品から派生した作品です。
大槻ケンヂ自身クセが強いタイプの音楽をリリースしてきましたが、このアルバムは女性声優たちの歌声によって若干緩和され聞きやすくなっています。緩和されているだけで大槻ケンヂワールドは全力全開なのでお覚悟を…
世界の終わりのような、どん底を這いずる人生を歩んでいるような雰囲気から垣間見える希望の光。年末の仕事帰り、路地裏からちらっとクリスマスツリーが見えたような感覚。音楽のメッセージはは全体的に暗く、絶望を歌っていますが、このアルバムで伝えたいのは絶望にこそ希望がみえるってこと。
絶望をテーマに歌っている。でも歌っているのは希望。こんな相反する概念を見事に歌い上げたこのアルバム。必聴です。
収録曲とおすすめ曲
最初におすすめなのが”ニート釣り”。開幕の楽曲としてインパクト抜群。ニートがデートする妄想(?)のお話。結局坊主なのが絶望感漂いますね…でもこれって釣られる側の目線からしたら希望なのかも?
次に”絶望遊戯”。「かくれんぼか鬼ごっこよ」と言う歌詞が出てくるこの楽曲。非常に抽象的な歌詞が印象的。タールのようなドロドロとしたメロディラインは長く聞きすぎると危ないかも。
最後に本当におすすめなのが”さよなら!絶望先生”。原作のタイトルではありません。この曲だけは明るめの雰囲気を醸しています。「絶望は閃光」。要はこの事を歌いたかったんじゃないかな?って感じさせてくれます。絶望は輝き。光。それ故インパクトはありますが、一瞬なんだと。目をくらましてばかりじゃもったいないぜ?ってことなのかもしれません。
- Intro-大槻ケンヂと絶望少女達
- ニート釣り
- 絶望ルンバ-少女が違うVER
- 綿いっぱいの愛を!絶望少女版
- 絶望遊戯
- ヒキツリピカソ・ギリギリピエロ
- 無神論者が聖夜に
- 人形たち
- 人として軸がぶれている-少女が違うVER
- さよなら!絶望先生
- おやすみ-END
- 絶望ルンバらっぷ
綿いっぱいの愛を!とかも声優さんが歌うとこんなふうになるのか〜って面白みを感じますよ。
褒め過ぎかもしれませんが、このアルバム1枚を聞き通すと何か1本の映画やオペラを見たような感覚がします。それだけメッセージ性の強いこのアルバム。エンドロール的な”おやすみ”は何もかもが許された平和感すら感じます。
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「かくれんぼか鬼ごっこよ」は残念ながらamazon music unlimitedでは配信されていません。
それでもこのアルバムはおすすめします。可愛い声の女性声優さんたちが歌う可愛い曲を期待するのであれば絶望しちゃうかもしれませんが、可愛い声の可愛い曲を聞くよりよっぽど刺激的ですよ!
筋肉少女帯ファン、特に特撮ファンにはおすすめのこのアルバム。アニソンだからと言って食わず嫌いせずに聞いて欲しいアルバムです。
故・松来未祐さんに捧ぐ