闇を抱えるJKぼっちがバンドに参加して…
ぼっち・ざ・ろっく
バンドマンには学生時代は暗い性格だった。とかクラスでは目立たない存在だった。とか言う人がいます。
そういうインタビューを目にして「自分も楽器をやってみよう!そうしたらクラス人気者になれるかもしれない!」って人もいたのではないでしょうか?
このマンガの主人公後藤ひとりちゃんもそんな人の一人。
ぼっち生活を送っている中学生の時、テレビで見かけたバンドマンのインタビューを真に受けて親が持っている黒いレスポールを貰います。
その後の中学生生活の2年間、毎日6時間続けてギターの腕前はメキメキと上達。
これで人気者に…!と息巻いているうちに中学をぼっちのまま卒業。
ぼっち(ギターは超うまくなった)のまま高校生になった、ひとりちゃんは相変わらずギターをアピールポイントとして友達を作ろうと奮闘しますが…
表題こそ「ぼっち」と名がついていますが、きちんとバンドを組みバンドのために成長していくひとりちゃんの姿があります。
ときに頼もしく、ときに危なっかしいひとりちゃんの成長を楽しめるマンガとなっています。
けいおんとの違い
女子高生とギターといえばけいおんという超有名作がありますよね。
同じ芳文社から発行されているあたり、おいおいおい…と思っていたのですが、そこは明確に差別化されています。
一言で例えるなら「けいおん=陽キャ」、「ぼっち・ざ・ろっく=陰キャ」といった感じでしょうか。
けいおんのキャラクターのようにクラスで友人同士でキャッキャした感じはありませんし、放課後に友達と一緒帰る…みたいなことはありません。
ぼっちちゃんはクラスでこんな感じ。
基本的に学校内の描写よりも、学校外の描写が多いのもけいおんとは大きく違います。
けいおんのようなキラキラした学校生活を送っているよりも、ぼっち・ざ・ろっくのほうがよっぽどリアルな感じがします。
不安になるぼっちちゃんの造形
悲しいかな、ぼっちちゃんことひとりちゃんは人から話しかけられることや人前に出るに慣れていません。
そういった場面に出くわすと一気に顔の造形が怪しくなります。
最初の頃こそ造形の崩れはほどほどだったのですが、物語が進めば進むほど人の顔の形を保てなくなるほど造形が崩れていきます。
序盤:まだちゃんと萌系。
後半:ヒト?
後半はネタにされるほどの崩れっぷり。65ページあいだに何が…
このマンガを読んでみて
ぼっちな女の子が奮闘するマンガとして読むもよし、ひとりちゃんが成長していく物語を楽しむもよし、なマンガです。
もちろん軸足は日常系に置かれていますが、時々見えるひとりちゃんのバンドのために頑張る真面目な表情がすばらしいですね。
ストーリーとして締めるところは締めている印象が非常に良きです。
他にも邦楽が好きな人だとピンとくると思うんですが、各話の扉絵がいろいろな邦楽アーティストのジャケットのオマージュとなっています。
あと、楽器をやっている人って結構内向的って所に目をつけたのも新しい目線でいいですね。
趣味で楽器をやっている人ならば共感できるところもあるかもしれません。
アニメ業界で有名な鷲崎健さんも学生時代からギターをやっていたそうですが、クラスを探しても誰も鷲崎さんがギターを演奏できる知らなかったそうですし。
ぼっちにかぎらず、誰にも明かしていない特技を持っているってのは最高にかっこいいじゃないですか。
きっとひとりちゃんのクラスメイトも誰も知らないんじゃないでしょうか。
ひとりちゃんがこんなにギターを使って饒舌におしゃべりできるなんて。
ひとりちゃんってゴチうさのチノちゃんに似ていると思うのはわたしだけ?