まるで2000年代前半のダンス・ポップみたい
Father of All(2020)
Green dayの最新アルバム。American Idiotのようなキャッチーで激しいパンク・ロックとは一線を画したような仕上がりになっています。
初めて聞いたときはずいぶんとポップよりに重心をおいたなぁってこと。21th Century Breakdownの頃からあまり聞いてこなかったので、彼らの路線変更に気づくのに遅れたようです(もしかしてもっと前からこんな感じだった?)。
少なくともMinorityやBasket Caseみたいな曲調を想像して聴くと椅子から転げ落ちることでしょう。
でも変化は悪いことじゃないです。こういった側面もありだよね、うん…ありあり…って思えます。
いつしかロックバンドからカントリーミュージックバンドに変わってしまったバンドもいるくらいですので、Greendayの挑戦的な実験アルバムとして聞いてみるのも悪かないですよ。
収録曲とおすすめ曲
やっぱり違いを一番感じさせられたのが”Fire, Ready, Aim”でしょうか。短いこの楽曲はなんとOffspringのAll I Wantよりも短いのです。
本来ならば「構え、狙え、撃て」のところが「撃て、構え、狙え」というメチャクチャな順番な曲名になっています。
一体何を(誰を?)暗に示しているのでしょうか…一体何ンプ大統領のことを歌っているんだ…
”Sugar Youth”には過去のアルバムで登場したことのあるリフが挟まれています。懐古厨にはピッタリ。
意識的に差し込んだのか手癖が急に出てきたのか、どちらにせよ新旧のコラボっぽくて私は好きです。
- Father of all ...
- Fire, Ready, Aim
- Oh Yeah!
- Meet Me On The Roof
- I Was a Teenage Teenager
- Stab You In The Heart
- Sugar Youth
- Junkies on a High
- Take The Money and Crawl
- Graffitia
わたしが知っているGreendayぽいのがGraffitiaでしょう。メロディはDookie時代っぽさを残し、歌詞はAmerican Idiotをこじらせたみたいになってます。これがわたしの好きなGreen Dayなんです。
ちなみにこの曲は米国で封鎖された工場と警察に射殺された10代の黒人男性について歌ったそうです*。いかにもGreen Dayっぽい!
関連するアルバム、作品
このアルバムを通しで聞いたときに思ったのが「なんかフランツ・フェルディナントっぽいな」ってこと。
ダンス・ポップとひとつまみのロックがいい感じです。
ダンス・ポップ×ロックといえば何故かどうしても彼らの音楽を引き出さずにはいられない。
露と消えた彼らですが、彼らの音楽は未だにわたしの中にはあります。
このアルバムを聞いてみて
変化ってのは賛否両論をもって受け入れられます。このアルバムだってそうです。2000年くらいまでのGreen Dayを知っている日からしたら「なんだこれ!今までのGreen Dayとぜんぜんちげぇんだけど!」って思うかもしれません。
でもずっと同じでも面白くはありません。
Green Dayの変化を良しと取るかはその人次第ですが、彼らは彼らであることに変わりないないわけですし、怖いもの聞きたさで聞いてみるのも良いかもしれません。
わたし個人としては絶賛しないにしても、そこそこ気に入っています。
記事サムネイルはamazon商品ページより引用