まるでおもちゃ箱をひっくり返したみたい
el esperanka (2013)
これはジャズなのか、EDMなのか、エレクトロニカなのか、クラシックなのか。それとももっと別の何かか…
そんな底の知れない雰囲気をまとっているのがserphのel esperankaです。スペイン語の希望である、el esperanca(エル・エスペランサ)を彷彿とさせるアルバム名の通り、楽曲は明るく、しかし哀愁を漂わせるようなネガティブさも持ち合わせています。希望ってそういうもんですよね。希望を抱きたくなるような時って大体よくない状態です。
怒涛の電子音、効果音が奏でるジャングル。でも雑然としているわけでもない。ライトアップされているような整然さもない。最初に聞くとおもちゃ箱をひっくり返したみたいな雰囲気ですけど、よくよくみると「あれ?このおもちゃ達並んでない?!」みたいな印象。
楽曲のBPMが早いってのもあって、そんな電子音と効果音のジャングルを駆け抜けているような感覚を味わえます。楽曲によってはまるでワープホールに入っているかのよう。
収録曲とおすすめ曲
最初におすすめなのが”magicalpath”。過去の懐かしい思い出を走り抜けた先は現在。そしてその現在から過去を追体験する…みたいなワープ感を味わえる楽曲です。ワープの際は過去の思い出が寄せては返す波のようにによみがえります。
もう戻れない過去を走馬灯のように思い出す人ってこんな感じなのかな?って思える楽曲です。楽曲の終わりでは唐突に現在に引き戻されます。
次に”parade”。ひっくり返したおもちゃたちが勝手に行進を始めちゃいました。でもこの行進はなんだか悲しげ。こどもに飽きられたおもちゃたちの行進なのでしょうか。「もう僕らであそんでくれなくなっちゃったね…でもあの頃を思い出して行進しよう!」みたいなストーリーを感じます。この曲を聞いて子供の頃に買ってもらったおもちゃたちを思い出しました。
- twiste
- magicalpath
- session
- vesta
- parade
- shift
- ankh
- wizardmix
- felixz
- curve
- vitt
- rem
- crystalize
ピアノと電子音、機械音が織りなすハーモニーが特徴な”ankh”もおすすめ。このアルバムでは結構ジャズよりな楽曲です。
el esperankaをAmazon Music Unlimitedで!
邦楽のコレクションも豊富なAmazon Music Unlimitedにはもちろんel esperankaが配信されています。Serphの楽曲はほぼすべて聴き放題です!
残念なのが特典CDがもう手に入らないってところ。あと、このクールなジャケットが手元に残らないってところ。 南米の遺跡を彷彿とさせるこのアートワークちょうかっこよくないですか?
特典CDが無くても、ジャケットが無くてもおすすめなのがel esperanka。ぜひお聞きあれ!