自作キーボードの参考にどうぞ。
Kailhスイッチテスター
今回購入したのがこのKailhスイッチテスター。Kailhの読み方はきっとカイル。このテスターでは24種類のスイッチの感覚をテストできます。ちなみにブランクのキーキャップもついてきました。
今回はこのスイッチの感覚を簡単にレビューしていきます。
最初に書いておきますと普段使いするならWhite Box軸かPink軸がおすすめ。使いたくないのはNavy軸かBurnt Orange軸。
スイッチ一覧
これがスイッチ一覧表。リニア、タクタイル、クリッキー、マイナーなスイッチからメジャーどころまで全部そろってます。この文字になっているスイッチは個人的おすすめです。
Gold Clicky(speed) |
Pink Clicky(click bar) |
Silver Linear(speed) |
Copper Tactile(speed) |
Bronze Clicky(speed,click bar) |
Plum Tactile |
Burgundy Liner |
Sage Clicky |
Dark Yellow Linear |
Purple Tactile |
Navy Clicky(speed,click bar) |
Light Green Clicky(click bar) |
Box Jade Clicky (click bar) |
Box Royal Tactile |
Pale Blue Clicky (click bar) |
Burnt Orange Tactile |
Box Pale Blue Clicky(click bar) |
Box Burnt Orange Tactile |
Box Dark Yellow Linear |
Box Navy Clicky(click bar) |
Box Black Linear |
Box Red Linear |
Box White Clicky(click bar) |
Box Brown Tactile |
speedと書かれているのはスイッチがオンになるタイミングが早いスイッチのこと。少ないキー押し下げ距離で入力できるので、少ない動きでスピーディに入力したい人向けのスイッチです。
次にclick barってのはカチッとした感触や音を出す機構を持つスイッチのこと。普通のClickyスイッチと違ってスイッチ内に金属で出来たバーを押し下げすることでクリック感を出す機構のこと。押した時のクリック音以外にキーがリセット位置に戻るときにもクリック音がするのが特徴です。
Image:Kailh white BOX switch review (click bar) - YouTube
データシートの見方
スイッチのレビューと一緒にデータシートを載せています。このデータシートの見方としては縦軸がキーを押し下げるのに必要な力、横がキーが沈み込む距離を表しています。次にグラフの見方です。上の線が押し下げる時、下の線がキーが定位置に戻る時を表しています。
例えばこのBox Blackのグラフ。
Image:NOVEL KEYS
このスイッチは40gの力でキーが沈み出し、キーが沈み込めばそれに伴って押し下げる力が強くなってきています。4mmくらいでキーが底打ちします。キーが戻るときもほぼ線形に力が減少していくのもわかりますね。
次に図中のOperating PointとReset Pointについてですが、それぞれキーのオン・オフが切り替わる位置を表しています。Operating Pointが浅いとキーを触った瞬間に入力信号が走るってわけです。
ちょっと前置きが長くなっちゃいました。それではスイッチの比較をしていきます。
リニアスイッチ
スイッチ感がなく、キーを押し込めば押し込むほど押し返す力が強くなってくるスイッチ。カチッと感はない。
Silverスイッチ(Speed)
datasheet:Novel Keys
軽くて使いやすそう。だけど誤入力には注意。
かなり軽く感じるスイッチ。軽い力で押し下がるのでキーに軽く指を乗せているだけでキー入力されそう。しかもSpeed軸はOperating Pointもかなり浅いので誤入力には注意。スコスコ打てるし音もかなり静か。
Burgundyスイッチ
datasheet:Novel Keys
静電容量方式に一番近く、押した感があるスイッチ。普段使いしたい。
Silverスイッチよりも重たく、Box Blackスイッチより軽い入力感覚。それなのにSilverスイッチよりも静か。反発力が強くて高速入力に適しそうだけど、やや遊びが大きいのは高速の入力には向かないかも。
Dark Yellowスイッチ
datasheet:Novel Keys
重い〜 でも静かなスイッチ。
この辺から実用するには重たすぎ。押し始めがBurgundyスイッチの押し終わりと同じ位の力が必要。指を叩きつけるようにタイプするならちょうどいいのかもしれないけど、常人には重たすぎて使うのは難しいレベルになってきてる。
Box Dark Yellowスイッチ
datasheet:Novel Keys
Dark Yellowスイッチとほぼおんなじ。音は若干高くなってうるさい。
押しはじめの力が若干軽いので普段使いするにはこっちのほうがいいかも。Dark Yellowスイッチだと底打ちのところでキーからすごい反発を感じるけれど、Box Dark Yellowにはそれがない分、優しい打ち心地。
Box Blackスイッチ
datasheet:Novel Keys
ザ・リニアスイッチ。程よい重さが気持ちい。
音もコトコトなる感じでオーソドックスなリニアスイッチを楽しめる。指への反発も少ないので誤入力の防止と疲れない押下力のいいところを選んでいる優秀なスイッチ。
Box Redスイッチ
datasheet:Novel Keys
押下力がほとんど変わらないスコスコスイッチ。
一気に底打ちまで行っちゃうので少々音がする。感覚としてはかなり軽いのでSilverスイッチ同様に指をおいておくだけで誤入力しそうなのでハードパンチなタイピングには向かないと思う。
タクタイルスイッチ
キーを押し込む途中に荷重の山があるスイッチ。荷重の山を越えるタイミングでスコッと抜けるので押した感がある。ちょっとうるさいスイッチもある。
Copperスイッチ(Speed)
datasheet:Novel Keys
サクサクタクタイルスイッチ。Cherry茶軸と同じくコツーンみたいな響きがある。
Cherry茶軸と比べるとタクタイル感はやや薄いか。その理由としてはいきなり荷重のピークがあるから。またOperating PointがCherry茶軸と比べて浅いので高速入力に向く。
Plumスイッチ
datasheet:Novel Keys
ほぼリニア感覚の静かなタクタイルスイッチ。
かなり重めでかなりリニア軸に近い感覚。Cherry黒軸にタクタイル感をプラスしたらこんなスイッチになるかも。タクタイル感も非常に弱いのでリニアと勘違いしちゃうかも。押し始めがかなり重たいので長文入力にはつかれるかも。音はかなり静か。
Purpleスイッチ
datasheet:Novel Keys
軽めのPlumスイッチ。
Operating Pointから底打ちまでの力の変化がほとんどないので、一気に底打ちまでキーが落っこちる感覚がある。またタクタイル感も強い。底打ちしても音もかなり静かなだけど、スイッチ内のスプリングが戻るときのコーンみたいな音が結構気になる。
Royalスイッチ
datasheet:Novel Keys
クリック感がかなり強いタクタイルスイッチ。あまり心地よくないタイプ感。
カクンッカクンッって感じの押し下げ感が特徴。80g弱の押し下げ力が必要な重量級タクタイルスイッチ。荷重の山を超えた後にガクンと押し下がるので音もかなり大きい。
Burnt Orangeスイッチ
datasheet:Novel Keys
重たすぎてリニアかと思った。押してんじゃねー!ってスイッチからの反発がすごい。
最初の沈み込みの瞬間しかタクタイル感が無いので感覚としてはほぼリニア。そしてスイッチオンまでに70gが必要な重量級スイッチ。感覚としてはクリック感のないJadeスイッチ。
Box Burnt Orangeスイッチ
datasheet:Novel Keys
重た目のタクタイル。Burnt Orangeとは全くの別物。
Cherry茶軸の二倍くらいの重さの感覚。タクタイル感は強い。Burnt Orangeとくらべて音はするものの指を弾かれるような反発感は無い。Box(軸保護パーツ)がついた分、音が高くなってる。
Box Brownスイッチ
datasheet:Novel Keys
お気軽タクタイル感を味わうならこれ。
Cherry茶軸の対抗スイッチがきっとこれ。ただしCherry茶軸よりも静かな感じ。程よいタクタイル感があるのでタクタイルスイッチに迷ったらこれを選べば、大きな成功はないにせよ、手痛い失敗もないはず。
クリッキースイッチ
タクタイルに加えてカチッと音がする仕組みがあるスイッチ。カチカチうるさいので公共の場で使うのは勇気がいる。
Goldスイッチ(Speed)
datasheet:Novel Keys
Kailhの標準的な青軸系スイッチ。Cherryよりもカチカチ感高め。
標準的なクリッキーな感覚。キーの押し下げ開始から急に重たくなるのが特徴。指をキーの上においていても誤爆はしなさそう。クリック音はそこまで大きくないと感じる。
Pinkスイッチ(Click Bar)
datasheet:Mechanical Keyboard
割と静かだけどクリック感があるおすすめ軸。
Silverスイッチにクリック感をもたせたような感覚。軽めの入力感が気持ちい。荷重の山とOperating Pointがほぼ同時にある。Click Barの割に静かだし個人的に好みなスイッチ。
Bronzeスイッチ(Speed, Click Bar)
datasheet:Novel Keys
SpeedとClick Barを搭載した実用に向くスイッチ。カチカチ音が大きくなったピンクスイッチって感じ。
Pinkスイッチとどこが違うの?って思うくらいよく似たスイッチ。押した感覚もほとんど同じ。明らかに違うところとしては音とOperating Point。スイッチオンのタイミングが他のスイッチより早いのと、Bronzeスイッチのほうが明らかに音が大きい。
Sageスイッチ
datasheet:Novel Keys
重めでジャリッと感覚のあるタクタイルスイッチ。
押し下がりで一気に重たくなって後はほぼリニア。気になるのがクリック感になにか違和感がある所。なんだか砂をかんだような動きと音がする。遊びも2mmくらいと大きいのでゲーミング用途には向かないかも。
Navyスイッチ(Speed, Click Bar)
datasheet:Novel Keys
重すぎ&うるさすぎ。
まるでノック式ボールペンを押しているかのよう。今回紹介するスイッチの中でも最重量の押し下げ力、堂々の100gが必要。ものすごいクリック感とクリック音がする。親指専用スイッチにでもしてないと腱鞘炎になっちゃうレベルの重さ。
Box Navyスイッチ(Click Bar)
datasheet:Novel Keys
重すぎ&うるさすぎ。その2。
ノック式ボールペン感覚のスイッチ。Boxなしと比べてちょっと軽めになっているけれど、重たいのには変わりない。音はBoxのほうが静か。普段使いすると絶対疲れる。
Light Greenスイッチ
datasheet:Novel Keys
軽くて静かなクリックスイッチ。
音はかなり好み。低めのカチカチ音がする。他のクリックスイッチと比べても音は低くて目立たないかも。スイッチ本体内でクリックパーツが動いてる感がすごい。
Box Jadeスイッチ(Click Bar)
datasheet:Novel Keys
軽めのNavyスイッチといった所。重くてうるさい。
それでもまだ普段使いするには重たすぎる。押し下げ始めて一気にガツンと底打ちする感覚。指のパワーを持て余している人向けのスイッチ。
Pale Blueスイッチ(Click Bar)
datasheet:Novel Keys
音小さめのJadeスイッチ。軽く感じるのが不思議。
Jadeスイッチとほぼ同じ荷重なのになぜか軽く感じるスイッチ。ガクッと力が抜ける感じが無い分、指に優しいかも。荷重の駆け上がりが緩やかだからそこまで重く感じない。音もちょっと静か。
Box Pale Blueスイッチ(Click Bar)
datasheet:Novel Keys
軸保護のBoxカバーが付いただけじゃない。
まず音が高くうるさくなってる。グラフの形も違っていて押した感覚はかなり違う。感覚としてはPale Blueスイッチのほうが好み。スイッチオンのタイミングもPale Blueスイッチとくらべてもちょい遅め。
Box Whiteスイッチ(Click Bar)
datasheet:Novel Keys
音を気にしないのだったらおすすめしたいスイッチ。
ほぼリニアな感覚でタイピングできるけど、Click Barによるタクタイル感が気持ちい。少ない押下力ですばやくタイピングできるので普段使いにもってこいなスイッチ。ただし結構うるさい。
kailhスイッチ楽しい!
Cherryスイッチよりも種類が豊富なkailhスイッチ。特に衝撃なのがBurnt OrangeやNavyスイッチ。これにはびっくり。べらぼうに重たいので敢えて使う人はどんな人なんだろう。よほど誤爆したくないキーに使うのならありかも。
自作キーボードを作る際、自分の好みに合わせてキー毎にスイッチを設置できるのはなんとも楽しいですよ。
オーソドックスなものからピーキーなものまで取り合わせているkailhスイッチ。下記サイトではかなりの品揃えを誇っているので自作キーボードに興味がある人はぜひチェックしてみてくだいね。