自作キーボードは簡単だよ。ほんとだよ。
自作キーボードに必要なもの
何が悲しくてキーボードを作るのか。最初はその理由がわかりませんでしたが、実際に作ってみると本当に自作キーボードの良さがわかります。なんと言っても好きなスイッチやキーキャップ、ケースで世界にひとつだけの自分専用のキーボードを作れるんですから。
でもキーボードを作るって何かハードルの高さを感じてしまいますよね。私もそうでした。はんだ付け技術が必要とか、どんなパーツが必要なのかイマイチわからなかったんです。今回は自作キーボードを作りたい人向けに自作キーボードに必要な”自作キーボードキット”の内容を紹介していきます。
なお今回紹介するのは一番オーソドックスな英語配列の60%キーボード、GH60と呼ばれるキーボードを想定していますが、40%キーボードだったり、分離型キーボードでも同じです。
自作キーボードに必要なもの
最初に自作キーボードに必要な部品をまとめていきます。
- PCB
- プレート
- キースイッチ
- キーキャップ
- スタビライザー
- キーボードケース
これだけ集めれば自作キーボードは作成可能です。それぞれについて見てきます。
PCB
まずはこれ。キーボードを作る上ですべてを決定づけるもの。プリント基板とよばれるものです。60%なのか40%なのか、はたまた変形なのかもここで決まります。ほとんどPCBはスイッチとのはんだ付けが必要ですが、中にはホットスワップと呼ばれるはんだ付け不要なキーボードもあります。
プレート
プリント基板に直接キースイッチを乗っけちゃうと端子に負荷がかかるので、プレートという金属板にスイッチを固定する必要があります。また、このプレートはケースとネジで固定するためにも使われます。
注意しなくちゃいけないのが、シフトキーの大きさ。PCBによっては2U(キー2つ分の大きさ)のシフトキーだったり、2.5Uのシフトキーだったりするのでプレート選びはPCBにあったものを選びましょう。
キースイッチ
キーボードのタイピング感を大きく左右するのがこのキースイッチ。どんな感触のキーボードんいするか悩みどころでもありますし、一番楽しいところでもあります。
私は装飾キー(シフトやコントロールキー)を感触が違うスイッチにしたりして市販のキーボードにない作りにして楽しんでいます。
以前Kailh(カイル)社製のキースイッチレビュー記事を書きました。キースイッチ選びの参考にしてください。
キーキャップ
実際に触るキーボードのパーツになるのがこのキーキャップ。基本的には好みで選んでもOKなパーツなのですが、先に書いたようにシフトキーの大きさに注意しなければいけません。他にもプロファイルと呼ばれるキーの列によって高さが異なるものや、すべてのキーの高さが同じものがあるので十分吟味しましょう。
スタビライザー
スペースキーやシフトキーなど横に長いキーはキースイッチだけで支えるとグラグラしちゃうのでスタビライザーと呼ばれる支えが必要です。60%キーボードなどであれば、それ専用のスタビライザーセットが売られているので特に迷うことはないかと思います。
ただ、1点気をつけないと行けないのがスタビライザーの固定方法。スタビライザーにはPCBマウント、プレートマウント、コースターマウントと呼ばれる3種類があるところです。私も一度このスタビライザー選びで失敗しました。PCBのスペースキー周りに大きさが違う2つの穴があいていれば、PCBマウントを買っておけば大丈夫なようです。
キーボードケース
最後にこれ。PCBと同じ大きさを買っておけば大丈夫です。ここも市販のキーボードにないこだわりどころですので、好み全開で行きましょう。私は木製のキーボードケースを選びました。
実際のキーボード自作キット
ここまで自作キーボードに必要なパーツを紹介してきましたが、やっぱりピンとこない人もいるかと思います。そこで私が自作したときの実際のパーツを1つずつ紹介していきます。
私が自作したのははんだ付け不要なホットスワップのPCBでGK64という配列のものです。60%のキーボードサイズなのにカーソルキーが付いている便利なやつです。
なお、購入はすべてAli Expressにて行いました。早いもので注文から10日、一番遅いもので注文から3週間程度で到着しました。
PCB
私が購入したPCBははんだ付け不要なホットスワップと呼ばれるタイプのもの。キースイッチを押し込むだけで使えるようになるという自作キーボード初心者にピッタリのものです。私が購入したのは下記のPCBです。PCB単体で購入しました。ケーブルは付属します。
プレート
GK64タイプの左シフキーの大きさは少々小さくなっていて普通のプレートでは適合しない場合があります。左シフトの大きさが2Uのプレートを選びました。
キースイッチ
私はKailhの白軸スイッチをメインに選びました。装飾キーは黒軸と茶軸を組みあせて作ります。この辺は好みですね。国内で流通していないようなレアなキースイッチも海外通販では売られていることもあるのでPCB何かと一緒に買っちゃうのもありかもしれませんね。
なお、キースイッチは国内でも購入できます。関東圏内であれば3日もあれば届きます。
キーキャップ
こだわりどころですね。かっこいいキーキャップは5,000円以上したりするので注意です。また、何度も書いているようにシフトキーの大きさやキーレイアウトにも注意しましょう。60%キーボードを作ろうとして108キー配列を買っちゃったりしたら使えませんからね…
スタビライザー
PCBマウントのものを買いましょう。私はプレートマウントのタイプを購入してしまい、グラグラして使い物にならなず、結局PCBマウントのものを購入し直しました。もしどうしても不安ならPCBマウントとプレートマウントのもの2つ買っちゃうのもありです。そこまで高いものでもありませんし。
キーボードケース
特にこだわりがなければ適当なものでも大丈夫なのですが、プラ製のものや木製のものはお世辞にも品質が良いとは言えませんので、あまり安すぎるキーボードケースに飛びつくのはやめておいたほうが良いでしょう。
キーボードの組み立て方法
この動画を見れば一発でわかります!(丸投げ)
ここまでに紹介してきたパーツが全部出てきています。違うのはキーキャップとケースくらいです。とても丁寧に説明されているので私もこの動画を見ながら組み立てることができました。
動画を見ながらでも30分程度でキーボードを組み立て終わることができました。プラモデルを完成させるよりも簡単でしたが、稀にキースイッチの端子が曲がったり、うまくPCBにハマっていなかったりするので完成前にこのサイトを使ってすべてのキーが正しく動作するかチェックをしておくことが大事です。
自作キーボードで世界にひとつだけのキーボードを!
コンピュータを使っている間、一番触るのがキーボード。特に文字をたくさん打つプログラマやブロガーの人にはキーボードにこだわること良いことがたくさんあります。
たくさん文字を打っても疲れないとか、文字入力自体が楽しく感じられるとかです。
自作キーボードって自作したことのない人からしたらとてもハードルが高いように感じるかもしれませんが、必要なパーツさえ間違わなければ拍子抜けするほど簡単に自作することができます。
「自作キーボードをやってみたいけれど、なんか難しそう…」って思っている人の参考になれば幸いです。