自分だけのキータッチにしたい人は是非どうぞ
キースイッチのスプリング
キーボードの感触を大きく左右するのがキースイッチ。タクタイル・クリッキー・リニアに大きく分けることができます。
それらのキースイッチにはスプリングが入っています。スプリングはスイッチを押し下げるのに必要な力(以下、押下力)を制御しています。市販のスイッチには押下力が40gから100gまで様々なものがあります。強いバネは縮みにくく、弱いバネは簡単に縮むって特性を利用しているわけですね。
キースイッチのスプリングを交換すれば、市販されていないくらい軽い押下力のキースイッチができたり、リニアスイッチにしても押下感が異なるスイッチが完成します。キースイッチのスプリングを交換して自分好みのキースイッチに改造してしまいましょう!
必要なもの
キースイッチの中のスプリングを交換するためにいくつか道具が必要です。また、あればいいなというものも紹介していきます。
- キースイッチオープナー
- 交換スプリング
- ルブ(あればでOK)
以上3つが必要です。キースイッチオープナーはなかなか入手しにくいので、ピンセットなどでも代用可能です。分解する際、キースイッチを破損しないように気をつけましょう。遊舎工房でも販売されています。
次にスプリング。これは専用のものを用意しましょう。海外通販も利用可能ですが、国内であれば定番の遊舎工房を利用するのが一番簡単です。
重さは様々なものがあります。好みに応じて使い分けるのがいいのですが、最初のうちはあまりかるすぎるものを選ばないようにするのをおすすめします。
例えば遊舎工房で売られているスプリングで最も軽いものは15g程度でスイッチが押し下がりだします。これは市販のスイッチの半分以下の押下力です。他のキーを触ったときに、ちょっとでも触れたら入力されたと判断されるので慣れるのに非常に時間がかかります。最初は40g程度にしておくことをおすすめします。
最後にルブ。これは必須ではありません。ルブとは潤滑油のこと。グリスみたいなものです。これをキースイッチに塗るとスイッチの動作が非常になめらかになります。キースイッチの分解のときに塗ってしまうのがおすすめです。
スプリングに適しているサラサラ目のルブも遊舎工房に売られているので、一緒に購入してしまいましょう。
スイッチパーツ用のルブはこちら。スイッチ本体に塗るルブはかなり粘度が高くなっています。
ルブの塗り方についてはこの記事を参考にしてみてください。
スプリング交換の方法
まずはキースイッチを分解します。一個一個分解していくより、最初にまとめて分解したほうが楽ちんです。
キースイッチの分解が終わったらスプリングを交換していきます。スプリングに上下はないので交換自体はすぐに終わります。
キースイッチ本体やスプリングににルブを塗らないのであれば40%キーボードのスイッチのスプリングを交換するのに30分もかからないのではないでしょうか。スプリングに上下の向きはありませんので組み立ても簡単です。
キースイッチの再組み立てのとき、トップハウジングの向きを間違えやすいので無理に押し込まないように気をつけてくださいね。
おすすめキースプリング
どんなキースプリングを選べばいいかわからない!って人向けに個人的なおすすめを紹介していきます。
わたしとしては非常に軽いタッチが好みなので、軽めなスプリングが多めです。
まずはMX Supreme Seriesの45S。
これはどんなタイプのキースイッチでも使用できるスプリングのうち、最も軽いものです。軽めのクリッキースイッチを自作するのであれば、これでしょう。
次にMX Progressive Seriesです。
こちらは軽くはないスプリングなのですが、押下感が独特です。リニア軸向けなのですがキーの沈み始めはスッと下がっていくのですが、底打ちにかかるまでに急に重たくなります。押下力の変化が非常に独特になるスプリングです。
最後にわたしが普段使いしているMX Supreme Seriesの35Sです。
一般のキースイッチからしたら非常に軽いのですが、わたしにとってちょうどいい重さ。最初のうちはキーボードの上に指を乗せているだけなのにffffffffffみたいにキーが反応してしまっていたのですが、すごく小さい力で文字入力ができるので疲れにくいです。
これ以上軽くすると誤爆が増えそうなので、30g程度で抑えています。
キースプリング自作(非推奨)
市販されているキースプリングよりもっと軽いものが欲しいとか、キースプリングを購入するお金がない!って人はキースプリングを自作することもできます。おすすめはしませんが。
自作の方法は、キースイッチ内にあるスプリングを少しだけ切ってあげるという方法です。これは重たいキースイッチを軽くすることしかできませんが、追加でスプリングを購入する必要がないので、実質ゼロ円でキースプリングの改造が可能です。
ただし、すべてのキースプリングを同じ長さだけ短くするってのは手間がかかりますし、切りすぎた場合は取り返しが付きません。素直に市販されている交換用のキースプリングを購入するのをおすすめします。
自分だけのキースイッチを作ろう!
キースイッチとキースプリングの組み合わせで無数のオリジナルキースイッチを作り出すことができます。
軽めのスプリングであればリニアスイッチしか使えませんが、40g以上の押下力のスプリングであれば様々なキースイッチで利用できます。
触れただけで反応するようなフェザータッチのスイッチや力を入れないと反応しない筋トレ用スイッチなど自由自在です。
キースプリング自体、100本入りで1400円程度なので気軽に挑戦できます。またルブより導入難易度が低いです。キータッチを大きく変化させることができるので気軽に試してみるのはいかがでしょうか?
この記事はcrkbd(Kailh Pro PurpleMX Supreme 45g)で書きました。