言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

未だにはびこる「サイレントお祈り」とかいう悪習とその対策

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私は今は会社に勤めていて、学生時代には就職活動をやりました。たくさん祈られました。その中で「これってありなのかなぁ...」って思っていたのがサイレント祈りです。

サイレントお祈りとは

ふつう面接などの試験を受けると合否の連絡がきますよね。合格なら内定もしくは次の面接へ。ダメなら「貴殿の今後の活躍を心よりお祈り申し上げます」と締めくくられる「お祈りメール」が届きます。まともな社会通念をもった会社ならきちんと合否の連絡をするのですが、サイレント祈りでは合格者にのみ連絡をし、不合格者には何も連絡を行わないのです。
 
私も何度かこういう経験をしましたが、今でもこんな悪習が残っていて学生が不利益をこうむっているということにとても憤っています。
 

学生を保険扱いする祈り

なぜサイレント祈りをするのでしょうか?真っ先に思い浮かぶのが「不合格者に連絡するのが手間」だからというものでしょう。まぁ納得できなくもないのですが、それだけ学生を募集しているのだから言い訳にはなりませんよね。しかも不合格になった学生はもう2度と連絡を取ることすらないのですからね。
 
でもサイレント祈りには別の側面があります。それが面接に来た学生を保険としてキープできるということです。サイレンと祈りは学生と企業という非対称な力関係を利用した悪い大人たちの悪巧みとしか捉えることができません。
 

学生を保険にするとは?

サイレント祈りの最も悪い部分は「学生を宙ぶらりんにする」ということです。合格でも不合格でもない状態に置くことで補欠要員としてキープできてしまうのです。
 
一般的に企業は内定辞退を見越して多めに新卒を採用します。でも人数ぴったりで採用してしまうと、もし内定辞退者がでてきてしまうと計算が狂ってしまいますよね。内定辞退まで行かなくても、その学生が受けているほかの企業に内定が決まって、選考途中でそれから先の面接を辞退するってことも十分考えられます。
 
そこでサイレント祈りです。当落線上の学生を合否不明の状態にしておき、いざというときのための復活要員として利用するんです。もうちょっと学生がほしいなぁ...って時に合格の通知をすれば予定通りの新卒を確保することができますよね。
 

学生にとっては害しかない

倫理観を欠いた企業からしたらサイレント祈りは便利な発明かもしれません。1ヶ月も間が開けばさすがに学生から怪しまれるかもしれませんが、普通の選考なんて1週間~2週間くらいで終わってしまいます。その1週間をサイレント祈りで学生を確保できるだけでも十分なバッファですよね。
 
逆に学生からしたら悪夢です。サイレント祈りで保険にされている間、当然他の企業だって受けるわけです。就職面接の場では、他の企業の選考の進捗具合を聞かれます。それが最終面接に近ければ近いほど重要な質問なわけです。サイレント祈りを喰らっている学生からしたらなんと答えたらいいのでしょう?「XX企業の最終面接の結果待ちです」とかでしょうか?そうなった場合の面接官の心境はいかに。本当はその学生は落ちてるのに…
 

サイレント祈りの対策

サイレント祈りで学生をキープしている会社には逆にこちらから連絡をしましょう。1週間サイレントだったらこんなメールを送りましょう。普通の会社なら1週間〜10日、最長2週間もあれば合否結果は出ています。
○○株式会社
ご担当者様
 
お世話になっております。
××大学~~学部の□□です。
 
XX月YY日に御社の面接を受けたのですが、その結果のご連絡をいただいておりません。
大変お手数ですが面接結果をご連絡いただけますでしょうか?
もしまだ選考中でしたら、いつまでに結果が出るのかもあわせてご連絡ください。
 
お忙しいところ、お手数ですがよろしくお願いいたします。
文面はアレンジしてもOKです。ただし聞くことは2つです。合否」と「回答期限」です。もしかしたら学生が大量に応募してきて本当に合否結果が出ていない場合があります。そういった時のための回答期限ですね。
 
普通なら1~2日で返事がきます。3日たっても返事がなければそういうことです。自ら祈られる形になるかもしれませんが、宙ぶらりんにされるよりかはましですよね。
 

サイレント祈りのツケは回ってくる

手垢のついた言い回しですが、ホウ・レン・ソウってありますよね。報告・連絡・相談のことです。会社に入ったら絶対に言われるのに、合否の報告を怠っている会社って何なんでしょうね?もし社会人になって、なにかトラブルを放置していたら「何でいわねぇんだよ!」と報告を怠ったことを叱責されます。
 
学生相手だからそんな必要はないと思っているのでしょうか?いずれにせよサイレント祈りをしてくるような会社に入らなくてよかったと前向きに行きましょう。
 
もし企業側が落ちた学生なんて知らないよ!と思っているのでしたらそれは間違いです。学生はそこまで愚かではありません。こんな風にサイレントお祈りを行ってくるような会社を就活生内で共有しています。

また、志望動機がしっかりしている学生ほど同じ業界の企業の面接を受けます。つまりいつか仕事上で絡む可能性すらあるのです。そういう人たちを実際にみて、仕事をしているとサイレント祈りのような無礼なこと、できるはずないんですけどねぇ…