ゲーム体験の優劣なんてつけれっこない。
今のゲームの解像度がすごい
1989年にゲームボーイが発売された。ゲームボーイとほぼ同い年の僕としてはゲームボーイは初めてのゲーム機になった。兄た姉がいた友達はファミコンに慣れ親しんでいたけれど、テレビを使用しなくても大丈夫なゲームボーイはいつでもどこでも遊べるということで、あっという間に僕は夢中になっていった。
そして時間は流れに流れた。大人になった僕はすっかりゲームをしなくなった。気がつくとゲームは4K解像度に対応するようになっていた。4K解像度って3840x2160ピクセルだ。iPhoneなんかのスマホの4倍の解像度と同じくらいといえばイメージができるだろうか。いや僕にはできないね。それくらいの超がつく位の解像度だ。
復刻版のレトロゲームが大人気だけど、例えばファミコンの解像度って256x240ピクセルだ。ゲームボーイでは160x144ピクセル。しかも4階調のモノクロ。携帯ゲーム機と据え置きゲーム機を一緒くたにするのはちょっと酷だけど、この進化は凄まじい。
4kでは8,294,400個のピクセルのフルカラーを制御できるのに対してゲームボーイは23,040個のモノクロピクセルの制御だ。色抜きにしても制御できるピクセル数だけでも360倍もの差がある。
解像度を実際に比較してみた
どれだけゲームの画面が進化したかを確かめるには手っ取り早くビジュアルで比較した方がいい。まず、これがゲームボーイの画像サイズ。わかりやすいように10ピクセル毎に罫線を引いている。
次に4K解像度、例えばPlaystaiton4 Proの画面サイズ。
画面によってはモアレでシマシマのグレーに見えるかもしれないけど、ちゃんと10ピクセル毎に罫線を引いている。それだけ4K解像度って細かい。
この画像だから正しく表現できてるかどうかは微妙だけど、この二者を比較してみよう。単純に4Kサイズの上にゲームボーイの画面を乗っけてみるとこんな感じになる。
左上のちっこい緑がゲームボーイの画面サイズ。流石に360倍の解像度があるだけある。こんなキメ細やかな画面で楽しむゲームは一体どんなものなのだろうか?
解像度とゲームの面白さは比例しない
確かにPlaystation4はゲームボーイの360倍のピクセルを制御できるし、素晴らしい音質で音楽を奏でることができる。ゲームボーイなんてイヤホン付けないとステレオにならないし音質もひどいもんだった。
ピカチュウバージョンのポケモンをやったことがある人ならわかるかもしれない。オープニング画面のピカチュウの声にアニメのピカチュウの声を期待したらがっかりするだろう。ちなみにスターフォックス64でフォックスやペッピーがゲーム中におしゃべりしていて椅子から転げ落ちるかと思ったくらいびっくりした。
でも解像度が360倍だからといって4K解像度のゲームがゲームボーイの360倍面白いかと言われたらそんなことない。思い出補正と言われてしまえばそれまでだけど、今のポケモンを遊ぶ小学生と白黒のゲームボーイでポケモン赤・緑をやっていた僕はきっと同じだった。
モノクロのカメックスでも僕の中では最強の相棒だったし3DSでレタリングされる3Dのポケモンは今の小学生にとっても何者にも代えがたい友達だろう。
なんでこんな記事を書いちゃったの?
先日、久々に実家に帰省した。実家は昔と変わらなくてゲームボーイのソフトのケースとか弁当箱みたいなゲームボーイの筐体が勉強机の引き出しにあった。
まさかと思って単3電池4本をコンビニで買ってきて電源を入れてみたら、ちゃんと起動した。起動したのは冗談抜きで数十年以上ぶりだったけど、まるで昔の自分が「よぅ随分久々じゃねぇか」って言ってるみたいだった。
日付や当時のセーブは記録されていなかったけど、友達とポケモンバトルしたりドラクエモンスターズの情報交換した昔の思い出がフルカラーで思い出すようだった。画面はモノクロだったけど。
こういう思い出って今も昔も変わらない。モノクロのピカチュウだって3Dのピカチュウだって、今も昔も大した違いじゃない。確かに情報はリッチになったけど受け取り手の感性は変わらないんじゃないかな。
情報が足りない分は自分の想像で好きにできたし、超高解像度のレタリングによるリアルな体験はまるで自分が 実体験しているような感覚をもたらすだろう。昔のゲームと今のゲーム、優劣なんてつけようがないんだ。まるでサッカーと野球、どちらが優れたスポーツかを競い合うくらい不毛な議論だ。
あの時、夢中になったモノクロのゲーム体験は21世紀生まれの子供たちにだって、きっと引き継がれているはずだ。あぁ、久々にゲームがしたくなった。