言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

2018年読んで良かった小説や書籍たち5選とおまけの3選

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実用書からSF作品まで

色んな本を読みました

2018年色んな本を読みました。いい本もたくさん読みましたし、読むに耐えない本やなんの収穫もなかった本もありました。ですが、その何倍も多くの良い読書をしました。

 

今回はそんな2018年の読書を振り返るべく、今年一年読んでみてよかった本の紹介をしていこうと思います。実用書から社会派レポート、SF作品までいろいろありますよ!

 

その1.アルジャーノンに花束を

超名作SF大学生の頃、とある研究室に配属されたら「君らも研究者の端くれならば、この本を読んでおくべきだ」と英語の原著を渡されたのがこの本との出会い。研究室の教授が外国人だったから英語だったんですけど、速攻で読むのを諦めて日本語版を買いました。

 

当時読んだときはそこまで感動だったりジーンとすることはなかったんですけど、社会人になって読み返すとこんなに心が動かされるとは。超有名作品なのであらすじを知っている人は多いとは思いますが、あえて書くとすれば、先天性の知的障害を持つ主人公チャーリィが知性を人為的に向上する手術を受けて変わったもの、変わらなかったもののを日記形式で描きます。

 

この本で描かれていることは3つ。神と科学と人間愛。先天性の知的障害という文字通り天から与えられたもの。そしてその障害に挑戦する科学。手術を受けて知性が向上したあとでも、変わらないコトの中にある人間愛。この3つがそれぞれに独立せずにうまく組み合わさって1つの小説という形になっています。

 

その2.山怪

読み方は”さんかい”。山で起こった怖い出来事、不思議な出来事をまとめた短編集。好評らしく1から3巻まで発売されています。短編集と言っても本当に短いです。短いもので数十行。長いものでも数ページしかありません。

 

こんな短いストーリーにどうしてこんなにも心が惹かれるのか。やっぱり山岳信仰っていう言葉があるくらい、山って生活に必要なものを与えてくれるやさしい面がある一方で、なにか恐ろしいものが潜んでるんじゃないかっていう側面もある人智が及ばないところがあるからなのかもしれません。

 

そういった山々も開発によってどんどん人間の手が及ぶ範囲が大きくなり、山に入る人も高齢化が進み、語り継ぐ人がますます減っていく中、こういった山に関する不思議な話をまとめている書籍は貴重な存在です。狐に化かされた人の話、虫の知らせ受けた人の話、本当にいろいろな話があります。山で不思議な体験をした人でもしたことない人でも不思議と共感できる現代の遠野物語です。

 

その3.独創はひらめかないー「素人発想、玄人実行」の法則

こちらも学生時代に出会った本。この本の著者である金出先生の特別講義を受けたときにあまりにも先生の話が面白く、機知に富む講義だったので気になって購入しました。ちょうど修士論文を書き始めるタイミングだったんですけど、もっと早くに読んでおけばよかったなと思いました。

 

時は流れて社会人。技術開発職になってからは「これは無理なんじゃないか?」とか「これは難しいだろう…」って思うことがたくさんありました。そんなときに再び手にとったのがこの本。

 

やっぱり読んで見てよかったなぁって思います。この本を読めば問題解決の大ヒントが見つかるわけじゃありません。何か示唆に富んだ数式や公式があるわけでもありません。でも何か勇気づけられるんです。それは名誉教授の金出先生でも同じように悩み、不安になるって言うことが正直に書かれているからだと思います。そんな不安な研究の日々を傍からみたら楽しんでるんじゃないか?って見えるあたり、一流たるゆえんなのかもしれません。

 

その4.日本の分断〜切り離される非大学卒若者たち〜

格差社会が叫ばれて久しい昨今。この本の著者は日本にあるのは格差なんて生易しいものじゃない、日本はすでに分断されているんだ!って主張しています。分断の要因は性別・年齢・そして学歴(大卒 or not)です。

 

学歴によって明確な格差が生じるって当たり前のことなんですけど、それをおおっぴらに明言して本に出すことって、どこか後ろめたいところがあるかもしれないんですけど、この著者は(勇気を持って?)明言しています。その確固たる根拠としてあるのが、最新の全国規模の社会調査。

 

その社会調査を社会学者の教授たる著者が料理するわけだから美味しくないわけがない。私も帰省のときに感じた高校まで一緒だった非大学卒の友達と話したときのズレがこの本を読むとなにかわかるような気がします。

 

その5.1984年

ディストピア小説の教科書。ディストピアの世界観について想像してみて!って言われたらだいたいこの小説の世界観と一致します。それくらいディストピアっていう世界観を決定付けた小説です。

 

舞台は1984年のイギリス。社会主義・共産主義が徹底的に浸透させられた世界を生きる男が主人公です。党は人間の言葉を、語彙を制限することで合理的思考を奪います。そこにあるのはニュースピークと言われる記号めいた言葉のみ。

 

良い(good)を表すのに悪い(bad)という言葉はいらない。良いに否定形をつけて非良い(ungood)で十分だという具合で語彙を狭めることで人間が持つ文化的な余白をなくして民衆をコントロールする描写が恐ろしく感じます。これって何でもかんでも「やばい」で済ませられる便利な言葉にも通じるようです。

 

いろいろ読んだ2018年

マンガの時にも書いたんですけど、紙の本を読むのをやめて電子書籍に移行して読書量がとんでもなく増えました。それくらい本屋に行かなくても欲しい本が帰るってのは本当に革命に読書体験を変えてくれます。

 

マンガのときにもおまけとしておすすめ5選にはなかったけれど、読んで良かったなぁって本を3つ紹介していきます。

 

まず1冊目が「もし宮中晩餐会に招かれたら」。

私がこのあと何十年生きようと宮廷晩餐会にお呼ばれすることはないでしょうが、もし呼ばれたときどんなことが起きるんだろうって思って手に取りました。外務省によって規定された服装の数々とかどんなふうに晩餐会が進むのか書かれている貴重な本です。

 

次に「絶滅の人類史」。

恥ずかしながら知らなかったんですけど、今我々のような人間に進化する可能性があった類人猿はその昔たくさんいたようなんです。でも、なぜか我々の祖先しか生き残らなかった。それはどうしてか?っていうところにフォーカスを当てたのがこの本。

 

特に心に残っているのが文字の発明についての話。人間って一番脳の容量が大きかったのが現代じゃなくてネアンデルタール人とかの時代だったそうなんです。なんでかって言うとその当時人類には文字がなくて記憶を外部化できなかったから。その後文字を発明してから記憶を文字として書き留めることができるようになってから脳がどんどん小さくなっていったって言うことらしいです。文字より便利なコンピュータができた今、これからもどんどん人間の脳は小さくなっていくんでしょうか…

 

最後に「手紙屋」。これはすごかった…

びっくりするくらいなんの収穫がなかった読書。30年近く生きてきて最も価値のない読書でした。例えるなら炭酸抜きの炭酸水、ルーのかかっていないカレー、水をかけたかき氷。それくらい毒にも薬にもならない本でした。

 

良い読書、悪い読書いろいろありましたが、2019年もたくさん読むことでしょう。kindleでいろいろと書籍を読んでいると思ってもみない、おすすめ作品が出てきたり、セールでいろいろ買えたりして書籍との出会いが増えました。

 

あと最高なのが今回紹介した書籍を全部1つのデバイスに入れて持ち運べるってこと。いつでも買った書籍をすぐに読めるってのは、電子書籍じゃないとできない体験です。他にもマーカーを引いてあとからPCでチェックできるってのも電子書籍のいいところです。

 

本をたくさん読む人こそ、電子書籍に移行するべきでしょう。