言葉にしないと伝わらない。文字にしないと残らない。

10年ぶりにクロスバイクを買ったら乗り心地に感動した”Giant エスケープR3(2021)”レビュー

この記事をシェアする

f:id:Ziddorie:20200712145243j:plain

5万円台でこの性能はすごい!

Giant Escape R3 2021

f:id:Ziddorie:20200712132000j:plain

Image:公式ホームページ

10年以上ぶりに新しいクロスバイクを買いました。いままではアサヒのミニベロを使っていたのですが、6年間も使い続けた結果ボロボロに…

そこでGiant エスケープR3を買うことになりました。クロスバイクの新車を買うなんて10年以上ぶり。

初めて買ったクロスバイクはFuji Absolute 3.0(2008モデル)です。この自転車で北海道から九州までの2500kmほどを旅行した思い出があります。

 

そんな浦島太郎状態のわたしが最新のエスケープR3(2021モデル)を購入したのですが10年間の技術進歩は凄まじく感動しました。

納車から家までのわずか1キロの道中で「なんだこのバイクは!」という気持ちから「どうやってこの価格で…?」という疑問すら浮かんできました。

どうしてわたしがこんなに感動&困惑しているのか解説しますが、きっとエスケープR3が欲しくなってしまうことでしょう。

これがアルミの乗り心地か?!

まず最初に驚いたのが乗り心地。

エスケープR3のフレームはアルミでできているのですが、アルミフレームは低コストで製造ができる反面、衝撃吸収性能に低く乗っていて疲れてしまうという特徴があります。

わたしが以前買ったAbsoluteもアルミフレームだったのですが、ビッシビシに路面からの衝撃が伝わってくるんです。

道路の段差などあろうものならダイレクトにわたしの手首を直撃していました。

サイクルグローブを使わないと手の平の皮がベロベロに破れてしまうほどでした。

 

そんなアルミフレームをつかっているエスケープR3ですが、驚くほどなめらかな走り心地なのです。

まるで路面と自転車の間に分厚いゴムシートを敷いたかのように、しなやかな走りを実現しています。

 

この乗り心地を実現させているのがフレームの形。

トップチューブを見てみるとハンドルからサドルに向けて徐々に平べったくなっているのです。

f:id:Ziddorie:20200712143909j:plain

トップチューブは徐々に扁平していきます。

他にもチェーンステー(チェーンのそばのフレーム)を見てみるとペダルの近くとスプロケット(ギア)の近くでは形が違っています。

f:id:Ziddorie:20200712144003j:plain

丸いパイプを繋いだだけではありません。

このようにフレームの形を微妙に変化させることで、アルミフレームでも衝撃や振動を吸収させることができるのです。

これはCannondaleのお家芸CAADシステムに似ています。こっちは10万超えのロードバイクですが。

 

フレームの溶接もとても丁寧です。

比較対象が20万円のロードバイクなのでフェアではありませんが、かなりスムーズに溶接されていて、遜色ない出来になっています。

f:id:Ziddorie:20200712144313j:plain

5万円のEscape R3のトップチューブ周りの溶接

f:id:Ziddorie:20200712144403j:plain

20万円のCaad10のトップチューブ周りの溶接

20万円のバイクのほうが流石に溶接は丁寧ですが、エスケープR3だっていい感じです。
 

こんなロードバイクに使われるような技術を使ったフレームの完成車が5万円台で売られているんです。一体どうやったんだ?!って感じです。

Giantによれば自社工場による大量生産によって可能にしたとのことですが、にしても安すぎですね。

街乗りには十分すぎるスペック

5万円台のクロスバイクのスペックはだいたい似通っています。フロントギアが3枚・リアギアが8枚の合計24段変速です。

 

エスケープR3のギアレンジは幅広く、最も軽いギア比ではマウンテンバイク並のギア比になるので余程の激坂でもない限り、脚をつかずに登攀できることでしょう。

一方で高速ギア比では42-11(ペダル1回転で車輪が約4回転)ということなので、クロスバイクには十分でしょう。街乗りでこんなハイギアが必要になる場面はあまり想像できません。

要は普段遣いでは余るほどのギアの組み合わせができるよ!ってことです。

 

サイクルグローブをしなくても手の平が痛くならないように大型のグリップが装備されていますし、サドルもスポーツサイクルには柔らかめのものになっています。

通勤やちょっとこそまでの用途に特化された設計となっています。

足回りは確かに重い

割とべた褒めですがマイナスな点も。まず感じたのが足回りの重たさ。

今までミニベロに乗っていたからかもしれませんが、停車状態からの漕ぎ出しが「よっこらせ」って踏ん張りが必要です。30ミリ幅のタイヤも手伝って加速は苦手なようです。

アルミフレーム特有の踏み込んだらスパーンと加速してくれるような軽やかさはありません。

加速してしまえばなめらかな乗り味なのですが、ストップ・アンド・ゴーが多い都市部ではフロントギアをミドルギアにしておくのがいいかもしれません。

 

ホイールに関してはなぜかクイックリリース(工具無しでホイールを外せる仕様)になっていません。

防犯やいたずら対策になる一方で輪行やパンク修理には向きません。

クイックリリースは単独でも売られているので、ロングライドや輪行を行う予定があれば購入しておきましょう。

スポーツバイク入門の最適解

クイックリリースが無いところや重た目の足回りには不満が残りますが、5万円台という価格帯でこれだけ高品質なフレームを使ったクロスバイクは素晴らしいです。

フェンダーやキャリアをつけて完全街乗り仕様にするのもよし、コンポやホイールを変えてレーシーな仕様にするのもよしというスポーツバイクの世界に飛び込むのにこれ以上無いバイクとなっています。

 

パーツは変更ができますが、フレームの変更はできません。だからこそフレームが素晴らしいエスケープR3がスポーツバイク入門に最適なのです。

乗っている人が多すぎて駐輪場でどれが自分のエスケープR3なのかわからなくなってしまうこともあるくらいですが、売れるには理由があるってことでした。

記事サムネイルは公式HPより引用しました。