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2021年モデルのエスケープR3とクロスターの違いを徹底検証!どっちを購入すればいいの?

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万能のエスケープR3か。スポーティーなクロスターか。

スポーツバイクの最適解な2台

スポーツバイクの入門にぴったりなエスケープR3とクロスター。どちらもGiantから発売されています。

この2つのバイクは性格がよく似ています。日本で一番売れているクロスバイクであるエスケープR3。

一方でスポーティよりにセッティングしたクロスター。

 

どちらも街乗りに適したクロスバイクですのでどちらを購入するか迷う人も多いかと思います。

スペック的はかなり似通っているので迷っている人向けにどちらを選べばいいのか紹介してみます。

スペック比較

  Escape R3 Crosster
価格(税抜) 52,000円 56,000円
重量 10.7kg 9.9kg
フレーム アルミフレームALUXX-Grade Aluminium OLD 130mm アルミフレームALUXX-Grade Aluminium OLD 130mm
フォーク クロモリ アルミニウム
クランク PROWHEEL SWIFT 28/38/48T/ PROWHEEL RPL-521 30/46T/
スプロケット SHIMANO HG41 8S 11-32T SHIMANO HG41 8S 11-34T
フロントディレイラー SHIMANO TY710 31.8 SHIMANO TY710 31.8
リアディレイラー SHIMANO ALTUS SHIMANO ACERA
シフター SHIMANO EF500 8S SHIMANO M315 8S
ブレーキ TEKTRO RX1 TEKTRO RX1
ブレーキレバー SHIMANO EF500 TEKTRO CL520-RS
ホイール GIANT SPINFORCE LITE WheelSet F:24H、R:28H GIANT SPINFORCE LITE WheelSet F:24H、R:28H
タイヤ GIANT ESCAPE R TIRE 700x30C CST RECOURSE 700x30C
サドル GIANT CONNECT COMFORT GIANT SPORT LITE

Giantホームページ(エスケープR3・クロスター)より

まずはスペックの比較をしていきます。大きく異なるのはやはり価格と重量。クロスターのほうが4千円高いですが、800g軽く仕上がっています。

 

次にギア。エスケープR3はフロント3枚、リア8枚の24段変速なのに対してクロスターはフロント2枚、リア8枚の16段変速となっています。

これによりギア比も微妙に異なっています。ギア比とはペダルを一周させると後輪が何回転するかを表しています。

エスケープR3の最も軽いギアは0.88・最も重いギアは4.36となっています。

クロスターの場合は最も軽いギアは0.88・最も重いギアは4.18となっています。

つまり最も軽いギアはエスケープR3とクロスターも一緒ですが、トップギアはエスケープR3のほうが高速になっています。

ケイデンス(1分間のペダルの回転数)が同じならばエスケープR3のほうが高速で走行することができるという意外な結果になりました。

 

微妙なところですが、ブレーキレバーも異なります。ただ、ブレーキ本体は両者とも同じなのでブレーキ性能はほぼ同一とみていいでしょう。

 

フロントダブルであるため、ディレーラー(変速)も異なるかと思いきやフロントディレイラーは同じ。これも意外。

でもリアディレーラーとシフターは異なり、クロスターのほうがひとつ上のグレードのディレイラーを使用しています。

 

タイヤとサドルはクロスターのほうが軽量でスポーティーなものを使用しています。

エスケープR3とクロスターのタイヤ幅は同じですが、クロスターのほうが軽量です。

 

あとスペックの違いではないのですが、エスケープR3のほうがサイズ展開とカラバリ展開が豊富です。

フォークの素材の違い

後述しますが、フレームの差はほとんどありません。では何が一番違うかというとフォークです。

フォークとはフロントホイールを保持するパーツのことですが、エスケープR3とクロスターではここに大きな違いが見られます。

 

エスケープR3ではしなったフォーク、クロスターではストレートフォークとなっています。

また素材もよくしなるクロモリ(エスケープR3)と剛性の強いアルミ(クロスター)となっていて性格が違います。

 

エスケープR3のフォークは湾曲しており直進安定性は増しますが、コーナリングの性能はやや悪化します。

一方のクロスターはストレートフォークで扱いはピーキーになりますが、コーナリングの性能は上がります。

 

他にもエスケープR3のクロモリフォークのほうが路面からの衝撃をフォーク自体がしなる事によって吸収しますが、その分直進するエネルギーもロスします。

クロスターのアルミフォークは衝撃吸収能力は高くありませんが、フォーク自体がしなりにくいのでコーナリングの安定性や加速時に有利に働きます。

ジオメトリはほとんど同じ!

色々調べていて驚いたのがエスケープR3とクロスターのジオメトリ(フレームの設計)がほとんど同じだったということです。

特にチェーンステー(リアセンター)の長さはスポーティーさに直結するのできっとクロスターのほうが短いかと思っていたのですが、両者とも同じだったのです。

  シートチューブ シートアングル トップチューブ ヘッドチューブ ヘッドアングル ホイールベース リアセンター BBドロップ スタック リーチ
Escape R3 500 73 565 170 72.5 1015 425 70 591 384
Crosster 500 73 565 170 72.5 1015 425 70 591 384

Giantホームページ(エスケープR3・クロスター)より

フレームの設計数値自体は全くの同一だったのですが、写真を見るとシートステー(リアブレーキがついている部分)がエスケープR3のほうがやや湾曲しているのに対してクロスターは直線的です。

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シートステーの形状が僅かに異なります。
Image:公式ホームページ(1)(2)より

シートステーが直線的であることはペダルに力がかかった時にしなりが発生しにくくなるので加速性能はクロスターのほうが優れているでしょう。

快適性を求めるならエスケープR3・スポーティーさならクロスター

見た目はかなり似通っていますが、中身は結構ちがっていました。

特にフォークがアルミニウムになっていることでスポーツバイク初心者では路面からの突き上げが苦しく感じるかもしれません。

 

クロスターはフロントギアが2枚だから…と心配に思う必要はありません。先述したとおり、最も軽いギアのギア比は同じです。登攀性能は同格です。

両方とも改造を行うのにも十分な下地を持っているのでカスタムベースとしても優秀です。

 

ちなみにわたしは悩んだ挙げ句エスケープR3を購入しました。

購入の決め手はカラーリングです。シックなグレー一色のエスケープR3に惹かれたのです。

結局はスペック的には互角なので、どうしても迷ってしまったら見た目で選んでしまってもいいかもしれません。

記事サムネイルは公式ホームページより引用しました。